2021.06.09

殴る蹴る○す! 殺人鬼の人格とシンクロした女の子たちのエログロアクション!『サタノファニ』山田恵庸【おすすめ漫画】

『サタノファニ』

殴る蹴る○す! 殺人鬼の人格とシンクロした女の子たちのエログロアクション

エロとグロのマンガが大好きな人にはおすすめできる。そうでない人には……うん、そうだね、なんかあわないかもね…みたいな、紹介に悩むけど趣味が合う人にはドンピシャであろう作品が『サタノファニ』。

17巻も出ている人気シリーズで、ぼくは大好きで仕方ないので同志がいたら握手をしたい。バンバン血が出るし、ビリビリ服は破かれるし、ズコバコセックスはする、ぐちゃぐちゃ内臓は飛び出す。パルプ・マガジン的というかカストリ雑誌的というか、いわゆる不謹慎なものをぎゅぎゅっと詰め込んだらやっぱ面白いじゃん、みたいなノリの作品だ。

ある少女たちは、危機が訪れるなどするとスイッチが入ったかのように、暴力的になり平気で殺人を犯すようになる。これが「メデューサ症候群(シンドローム)」。大人しくて優しい少女・甘城千歌(あまぎ・ちか)もその一人。集団レイプされそうになった時に発症し、関係者5人をわずか2分で殺害した。だが本人には記憶がない。

無意識の内に人を殺しかねない彼女。危険すぎるため、同じメデューサ症候群の女子が集められた孤島の女子刑務所、羽黒刑務所に収監されることになる。千歌を含めここにいる女子たちの人格変異は、実在した殺人犯の人格とシンクロした悪魔憑き(サタノファニ)のようなもので、発症すると殺人への心理の高ぶりは格段にアップする。彼女たちは、これからもたくさんの人を殺す運命を背負う羽目になった。

「ぼくの考える最強の殺人鬼対決」のノリで、ヘンリー・リー・ルーカス、ジョン・ウェイン・ゲイシー、都井睦雄、ヨーゼフ・メンゲレ、アンドレイ・チカチーロなどなど、超有名殺人鬼が続々登場。発症した少女たちの2つ目の人格として大暴れする。敵役として登場する相手の中にもメデューサ症候群持ちがいて、それぞれ殺人鬼の人格とシンクロしている上に、全殺人鬼の解説も作中で詳細に描かれている。ちょっとした「マーダーケースブック」みたいになっている。

一応、メデューサ症候群の背景とか、大企業や暴力団の介入とか、宗教組織の裏トラブルとか、色々物語は複雑に入り組んでいるのだが、それはさておいて。

女の子たちがぐっちゃぐっちゃと殺し合い、特に男性キャラには容赦がない。

アンドレイ・チカチーロがベースになっているロシア人ハーフのカチュアはセックスで相手をくわえこみながら、ナイフで目をえぐり喉を切って惨殺、死の間際に相手を射精させている。これはチカチーロが少年少女の目玉をくり抜いたりナイフを突き立てたりしながら興奮していたことのシンクロ。こんなシーンの連続で、基本的にエロとグロがどの巻でもたっぷりてんこ盛り。

最新の17巻では独自の美学のあったハンサム殺人鬼テッド・バンディや中国最悪のシリアルキラー楊新海などのメデューサ症候群持ちも登場。それらが能力バトルみたいな戦い方を繰り広げる。

例えば都井睦雄がベースになった巴あやは幼い頃から戦闘術を叩き込まれていた少女。発火した瞬間、日本刀やナタを振り回して惨殺の嵐。近距離日本等キャラが弱いわけがない。このへんは真剣に考えずノリで「この殺人鬼ならここが強そう!」くらいの勢いで楽しむのがGOOD。

登場人物が多く群像劇的な側面もあるため、ところどころ整理しながら追っていくとサスペンスとしての面白みもたくさんある。しかしまずは、メインディッシュである女の子たちの殺人パレードを楽しんでほしい。銃で撃つナイフで切る、なんかは当たり前。頭を両腕で押しつぶす、人体を輪切りにする、1億個の肉片に分解する、と殺し方もバリエーション豊か。当然女の子たち側もみんな、あれやこれやとひどい責めに合うので、そこも見どころ。

17巻のおまけとして、キャラクターたちの格闘ゲーム風必殺技コマンド表も掲載されているお茶目っぷりも楽しい。毎回扉絵が本編と無関係にフェチズム満点にドスケベ、という徹底っぷり、とても爽快だ。

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たまごまご

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