2021.01.28

ケモノ耳をもち、尾をもち、超人的な脚力を持つ少女=ウマ娘たちが競うレースを描いた、王道スポ根ドラマ!『ウマ娘 シンデレラグレイ』久住太陽, 杉浦理史, 伊藤隼之介【おすすめ漫画】

『ウマ娘 シンデレラグレイ』

めちゃくちゃ悔しい! 人生を長いこと生きてきて、今ほど競馬を知らなかった事を後悔した時はない! ダンッ!!(机を叩く音)

そんな歯噛みもしたくなる。それほどまでに『ウマ娘 シンデレラグレイ』で描かれているオグリキャップに惹かれているのだ。

ケモノ耳をもち、尾をもち、超人的な脚力を持つ少女=ウマ娘たちが競うレースを描いた『ウマ娘 プリティーダービー』。今年の冬にアニメ『ウマ娘 プリティーダービー Season 2』が放映されていて、スマートフォンゲームも、まもなくリリースされる予定である。

「ヤングジャンプ」の連載されているコミック版では、登場人物の一人であるオグリキャップを主人公にした物語が紡がれている。地方競馬のカサマツレース場、そのトレセン学園に突如現れた、他の子とはちょっと……どころじゃないズレた感性の女の子「オグリキャップ」が入学してくる。

変わり者扱いされる彼女だけど、その駆ける姿はガチのホンモノ。超爆速で走り抜くオグリキャップに第一話から度肝を抜かれましたね……! 見開きページで効果線と円を緻密に描く作画。まるで大砲の弾丸のように飛び出すオグリキャップの爆走に一瞬で目を奪われました。

『ウマ娘 シンデレラグレイ』に触れて改めて感じるのは、「武器は2つ要らない」ということだ。

「女の子を競馬に見立てる」という超個性。それがあればこそ、王道のスポ根ドラマを丁寧に描いていることで、全体のクオリティが底上げされている。

これが例えば、「宇宙人から試合を申し込まれた」とか「全員、超能力を持っていてバトルする」ような突拍子もない要素が複数あると、どんどん読者からかけ離れていって、共感ポイントを失ってまう。

「ウマ娘」という特異性が際立つ一方で、オグリキャップが同僚たちと友情を深めたり、才能と努力の末に勝利を掴むところは、学園ドラマとしての普遍的な感動を生む。我々読者が感情移入しやすいのである。

そうそう、オグリキャップの可愛いところも言わせてくれ。レースにおける本気の彼女からは、想像できないくらい性格はド天然。そのギャップが愛おしい。めちゃくちゃ大食いだしね!

おそらく、オグリキャップの超人的な運動能力を支えているのは食事量なんだと思う。

話は少し離れるが、大食いに意味があるヒロインと言えば、スマホゲーム『プリンセスコネクト』のペコリーヌ。『王家の装備』を使用する代償として、多大なエネルギーを消費する。そして『プリコネ』も、『ウマ娘 プリティーダービー』と同じくCygamesのゲーム……繋がった!

この世界のレースでは、勝利したウマ娘は、壇上で歌を披露する「ウイニングライブ」が行われる。通常はアイドルばりのパフォーマンスを見せるわけだが……走ること以外、からっきしのオグリキャップは、超がつく音痴だったりする。

周囲の追随を許さない、走りの天才性を持ちながら、天然で音痴という点に親しみを感じる。

一地方のレース場出身のオグリキャップが、名古屋レース場、東海ダービー、そして全国へ! なにせオグリキャップを出場させるために、大会のルールを変えてしまうほどだ。一人の傑物が、周囲を巻き込んでいく胸アツ展開

美少女化という表現技法で、オグリキャップの怪物伝説を、寓話として追体験させてくれることに、たまらなく興奮している。

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かーずSP

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