2018.07.06

【日替わりレビュー:金曜日】『春は短し恋せよ男子。』椎葉ナナ

『春は短し恋せよ男子。』

椎葉ナナ『春は短し恋せよ男子。』の1巻が発売されました。

物語の中心となるのは、太陽刀磨偉人という仲良し男子4人組。
めちゃモテのイケメンズというワケではなく、イケメンなのは青ぐらいで、その他3人は普通なガヤ男子という感じ。いわゆるどこにでもいそうな、普通ランクの男子たちにスポットが当てられ、青春ストーリーが繰り広げられます。

1巻はこのうち、太陽のエピソードが中心。
凶悪な姉の影響で、女子の心の本音がわかるようになってしまった太陽は、極力女子とは関わらないようにしていました。そんなある日、ちょっとしたアクシデントでクラスの女子・に怪我をさせてしまい、不本意ながら女子と接点を持つことに……。ところがこの柊、変わり者なのか全く心が読めません。話をしてみると、変だけどとっても素直な柊に、なんとなく惹かれていき……というストーリー。

1巻時点では太陽と柊の関係にフォーカスが当てられるのみで、イケメンで女子から人気の青を除いては、「そもそもお前どんなキャラやねん」状態。このあたりはこれから徐々にスポットが当てられていくことになるのでしょう。
複数の男子視点で、特定の女子との恋模様が描かれていくあたりから、『虹色デイズ』あたりと同系統になるでしょうか。そもそも椎葉ナナ先生は『覚悟はいいかそこの女子。』なんかでも男子視点の物語を描いているので、お話作りも非常にこなれた感じがあり、とっても読みやすくてサクサク読めます。素晴らしい。

物語の中心となる太陽と柊、まず太陽の「女子の心が読める」という特技に目が行くものの、それが霞むぐらいに柊がミステリアスで変なんですよ。

目つきが悪くて、話そうとしてもなんかうまくコミュニケーション取れない。行動も予測不能で、どうにも感覚がズレており、いつも孤立気味。で、いざ近づいてじっくり話してみると、めちゃめちゃ素直でいい子っていう。

一方の太陽はこういった特技がありつつも、つまるところ、異性とどう接したらよいかわからないという、純粋な純朴童貞少年という感じで、実に親近感湧くキャラクター
この2人がやり取りするわけですが、互いにアプローチ下手のため、やりとりがとにかくヘンテコで微笑ましい。そのせいか、初恋ならではのドキドキとか甘々の空気感とか一切流れず、どちらかというと笑える光景がそこに。で、それがダメかっていうとそうではなくて、むしろオンリーワンで面白いんですよ。

甘い展開は2人目以降に期待したいところですが、イケメンの青は不思議ちゃん系なのでなんかそういう雰囲気にならなそうだし、残りの2人もヘタレ童貞感溢れててそういう感じになるのか不安あり。

そういうダメっぽい感じ含めて、メイン4人の男子たちは愛らしいんですよね。基本的にしょっぱくて、だけれど時折甘い、そんな男子4人の初恋物語を、優しく見守りながら一緒に応援してみませんか?

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