『小町教授の開発記録365』

タイトルを見ていただければお分かりいただけると思うのですが、ギャグ系BLです。

藤峰式先生は天才じゃないかな……設定はBLではよくある男性妊娠ネタなんですけど、あらすじ読んで即購入を決めて、読みながらだいたい笑っていました。

元ヤンニートの高音が就職先として紹介されたのが天才教授・小町の研究所で、研究内容は人口減少に歯止めをかけるための「男性妊娠」。元ヤンニートのお仕事は、天才教授と1年間夫婦生活をして研究の治験に参加することです。

アオリ文句が、「国の未来が懸かったハッピー・ラブライフ！」で、冒頭一発目の攻のセリフが、「君には俺の子供を産んでもらう」ですからね。

これ、面接に来た元ヤンニートに向かって放たれたセリフですよ、掴みが完璧すぎます。ちなみにそう言われた元ヤンニートは、「金より尻が大事なんで無理です！」って最初はお断りしていたんですよ。

もはや漫才以外のなにものでもない面接です。

しかも全力でお断りしていたはずなのに、あっという間に言いくるめられて全裸で診察台に乗っていたりするし、「一滴で一定時間目の前の相手をめちゃくちゃ好きになる薬」を飲まされてそのまま肌色シーンに突入するし、ギシギシやってる最中に契約書にサインさせちゃうし、創作ギャグBLでしか許されないあれやこれやをフルコースで詰め込んで読者の腹筋を震わせに来てくれます。手ごわい。

とにかく全編を通じて明るく楽しいギャグエロBLです。

最初は高音を研究対象としてしか見ていなかった小町教授が、だんだん傾いていく予定調和までがもう完璧な流れです。高音ももちろん、いつの間にか小町のことが好きになっています。

研究って、日々お洋服脱いで楽しく致しているだけなのでは……いったい何の数値を取っているの……という素朴な疑問は棚に放り上げて楽しむべき作品です。最後は両思いのハッピーエンドなので、何の心配もなく楽しんでいただければと思います。

明日への生きる勇気が湧いてきますので、楽しい気分になりたいときにぜひチョイスしてみてくださいね！

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©藤峰式/新書館