2021.01.09
「惚れ薬を作ってほしい」と訪ねてきたエリート騎士は、魔女自身が密かに想いを寄せていた相手で…!失恋から始まるラブストーリー!『どうも、好きな人に惚れ薬を依頼された魔女です。』釜田, 六つ花えいこ【おすすめ漫画】
『どうも、好きな人に惚れ薬を依頼された魔女です。』
『どうも、好きな人に惚れ薬を依頼された魔女です。』の第1巻が発売されました。
説明不要、実に分かりやすいタイトル。そんでもって可愛らしいキャラクター造形に絵柄。表紙見ただけで「あ、これ好き。」ってなりましたよね、もう。
原作小説は2巻まで発売されており、好評を博しているようです。追いかけやすい巻数でもあり、普段小説ってほぼ読まないんですが、ちょっと手を出してしまいそうです。
こんなあらすじ
物語の主人公は、王都のはずれにある湖の小島でひっそりと暮らしている魔女・ロゼ。ある日、彼女の元に「惚れ薬を作ってほしい」と、王宮勤めのエリート騎士・ハリージュが訪れます。この相手、実はロゼが密かに想いを寄せていた相手。
好きといっても、これまで話したこともなく、以前用事があって王都を訪れた際、その見た目と実直な言動に好意を抱いたというだけのお相手。好きになってもらうなんて、夢のまた夢。
早々に静かな失恋を喫したロゼでしたが、それならばせめて、薬が完成するまで少しでも長く一緒にいたいと、材料集めをハリージュに依頼。情報を小出しにしつつ、日数をかけて材料の調達をさせるのでしたが……というストーリー。
ロゼがポンコツかわいい
情報を小出しにして、彼に会う機会を増やすという小ズルい企みはできるロゼですが、彼女が優位に立って物事を進められたのはここまで。
生まれてこのかた殆ど人と話したことが無いので、基本的にコミュ障で、身の回りの世話も祖母(すでに他界)がしていたので生活力もゼロ、お金にも身なりにも無頓着で、とにかく魔法を使うという一点以外はクソほど能力が低いのです。「引きこもり魔女」というのは言い得て妙。
さらには魔女は嘘をつくことが出来ないので、せっかく好きな人を前にしても、まあそっけなく振る舞う以外、何もできないわけですよ。その様子がいじらしくて、まずかわいい。
それでもって、彼が来る前に、それまで気にしたことなかった、身だしなみに精いっぱい気を遣ってローブを新調してみたり、水浴びをしてデートの前に振りかける薬を纏ってみたりと、少しでも彼によく見られたいと思い、言い訳をしながらあがく様子が最高に愛おしいんですよね。とにかく応援したくなる魔女というか。
騎士の施し
そんな魔女・ロゼが、ハリージュにどう映っているかというと、最初こそ警戒をしていたものの、やり取りを重ねていく中で、だんだんと中身がポンコツ(んでもって美少女)であることを察し、「放っておけない」といった方向に。
まともに食事もとっていないロゼを見かねて、食事を持ってくるようになり、心を通わせていきます。「嘘をつくことが出来ない」ということをハリージュは知っているため、美味しい食べ物を口にした時のリアクションなど、ストレートにその喜びが伝わってくるわけで、彼としても施しがいがありますよね。
1巻はそうして食事を共にして打ち解けるところまで行っておしまい。これからどんな関わり合いが見られるのか楽しみです。
面白いストーリー展開や魅力的なキャラクターもさることながら、登場人物が多くなく、ゆっくりと、心情を丁寧に描きつつ進むので、物語に没入しやすいところもGOOD。おすすめです。
©釜田,六つ花えいこ/KADOKAWA