『幼馴染じゃ我慢できない』

ラブラブハッピーな拗らせ系幼馴染BLです。

ちっちゃい時から超仲良しだった2人。家も隣、学校も一緒、大学も一緒でつるみ続けて、ついにルームシェアすることに。

なんなの家が隣なのにわざわざルームシェアする親友なんかもはや親友といえるの！？ 無理でしょう？ と、冒頭からイチャラブっぷりが凄いんですが、幼馴染の仲良しというだけで、彼らはまだ付き合ってません。

イケメンでモテモテの諒太を自慢の幼馴染と思っている蒼衣と、実は蒼衣に惚れていて、でもその気持ちを本人に伝えられずにいる諒太という構図です。片思いの相手と気持ちを隠したまま一つ屋根の下ってなかなかきついと思うんですが、案の定、あっさり理性が欲望に負けた諒太。寝ている幼馴染にキスしようとしたら、そりゃ相手もびっくりするでしょ。

蒼衣が彼女を作ったら自分も彼女を作って、蒼衣が別れたら自分も分かれるという、主体性も相手に対する気持ちも何もない鬼畜なことを繰り返す諒太は相当拗らせております。蒼衣も、ずっと幼馴染で親友だと信じていた相手から告白されて驚きますが、嫌悪感はありません。

しかし本当に恋なのか。このまま親友として一緒にいるのではだめなのか。と頭を抱えますが、諒太が別の男と親しくしたり連絡を取ったりしているのを見て、それに嫉妬している自分に驚きます。

幼馴染の親友にこんな気持ちになる？ ならんだろう！？ あれ、実は俺も諒太のことが恋愛的な意味として好きなんじゃ……と気付いてしまいます。これもいちおう両片思いに入るんでしょうか。入る気がしますね、仲良し幼馴染同士の両片思いです！ 多少のすれ違いや喧嘩はありますが、総じてラブラブ。付き合う前からも付き合ってからもラブラブな2人です。ココアに砂糖と蜂蜜でもぶち込んだのかな？　みたいな甘さです。

両想いをちゃんと確認した後、初めて最後まで致そうかというときに、「俺が挿れられる方なん？　それはもう決まってんの……？」という蒼衣はわりとちゃんと男の子でした(挿れられてました)。

どうやら2巻もある気配がするので、受攻逆転のリバ展開もワンチャンあるのではないかと勝手に期待している次第です。

肌色シーンもしっかりありますし、脳が糖分を欲している方にはぜひともお勧めしたいBLです。

©百瀬あん/フロンティアワークス