2019.08.16
内気な金髪碧眼ヒロインと草食系地味ボーイが園芸部で繰り広げる、癒やし系ラブコメディ!『カタコトの庭』ゴリーマン【おすすめ漫画】
『カタコトの庭』
ゴリーマン先生による『カタコトの庭』の第1巻が発売されました。
癒やされました
いやー、実は最近急に仕事が忙しくなって、精神すり減らし気味だったんですけど、この作品に癒やされました。ありがとうございます。
さて、物語の舞台は高校の園芸部。イギリスからやってきた少女・アリスは、日本語も話せず、慣れない日本の学校で孤立し始めていました。そんなアリスに手を差し伸べたのが、隣の席で園芸部に所属する地味な少年・周。
日本語が話せないアリスと、英語が話せない周。互いに身振り手振り、カタコトの拙い言葉で交流を深めていきます。やがて、アリスの中に、周への淡い恋心が芽生えるのですが……というストーリー。
園芸部で育てるのは植物?恋?
園芸部というのはそこまで珍しくないような気もするのですが、ここまでちゃんと園芸部の活動する作品はそうはあるまい。
めちゃめちゃかわいい金髪碧眼の女の子が、優しくしてくれた地味な男子に導かれるように、園芸部に入部。二人の距離を縮めるのは、文化祭でも体育祭でもありません。部活動です。そして園芸部のもっぱらの活動と言えば、水やりに草むしりなわけですよ(実際どうなのか知らんけど)。
もっとこう、花を愛でたり、果物を収穫したりとかあっても良さそうなものの、本作ではそんなことさせません(何故……)。実際、距離を縮めるのには地味な共同作業が一番だったりするんですけど、まあなんとも絵面は地味ですし、事件も起きません。
でもその素朴さが、内気なヒロインと草食系ど真ん中のヒーローのキャラクターに妙にマッチして、極上の癒やし空間を提供してくれるのですよ。
寡黙だけど雄弁
アリスは内気な性格ではあるものの、周への好意は最初っから明確にあって、口数の少なさとは裏腹に、表情は実に雄弁。また周を花火大会に誘ってみたりと、ところどころで勇気を出して頑張る姿が、健気で可愛らしいのです。
傍から見ていると好意はダダ漏れと言っても過言では無いのですが、決定的な言葉や行動に現れていないので、草食系の周には今ひとつ伝わりません。確実に二人の関係は進展してはいるけれど、その歩みは非常にゆっくりで、その様子はさながら植物を育てているかのような感じ。
心が夏バテしてしまったあなたに
場をかき回す脇役もいるものの、基本的にはそのほんわかした様子をほほえみつつ見守り楽しむというタイプの作品。大きなドラマはないけれど、和やかで健やかなその雰囲気に元気をもらえる、癒やし系のラブコメディ。気持ちが夏バテになってしまったあなたに、ぜひともオススメしたい一作です。
©ゴリーマン/一迅社