『ひなたのブルー』

目黒あむ先生の新連載『ひなたのブルー』の第１巻が発売されました。

青春的アイコンがたっぷり

“ブルー”って、”青春”をそのまんま表すような色なので、タイトルから「青春ド直球な内容なんだろうな」と容易に想像がつくわけですけれども、これが予想以上にキュンキュンする青春要素を落とし込んだ作品になってまして。

ワードだけ拾ってみるとこんな感じなんですが……お昼休みの学校の屋上、憧れの生徒会長、学園祭の準備……。はい、ベタ。ベタなんです。でもそれがいいんですよ。

高校デビューSTORY

主人公・日向なるは、引っ込み思案な自分を変えるべく、友達のいない、自由な校風の太陽高校に入学。

見た目もチェンジして、華麗に高校デビューを飾るつもりだったものの、なかなか友達ができずに落ち込む日々を送っていました。そんな中、屋上で生徒会長の夏野空に遭遇。友達作りのアドバイスをしてもらい、見事友達を作ることができて……というお話。

私服がどちゃくそかわいらしい

自由な校風という設定ゆえに、制服ではなく、私服。

制服の方が読者の共感性が高いような気もするのですが、私自身、私服高校に通っていたせいか、私服高校が出てくるとすごくテンションあがるんですよね。毎回服装が違っていて楽しいし、帽子かぶってたりとか制服ではなかなかお目にかかれないビジュアルがまあなんというか、すこぶるかわいらしい。

目黒あむ先生持ち前のポップな作風に、私服という要素が加わるだけで、ここまで凶悪にキャッチーになるとは。ストーリーも、キャラクターも、色々と推したい要素はあるものの、まずは何よりここを推したい。

真面目ちゃんとマイペースくん

さて、主人公のなるは、高校デビューで見た目こそ明るい感じになっていますが、もともと引っ込み思案で、コミュニケーション能力は低め。くそ真面目な性格ゆえに、やる気だけが空回りして、浮いた存在になっています。

そんなヒロインに対して、生徒会長の空はゆるゆる脱力系のイケメン。

生徒会長としての仕事はしっかりこなし、周囲からの信頼も厚いのですが、剛腕でみんなを引っ張るというよりは、その人当りの良さで柔らかく物事を進めていく感じ。とにかく懐が深く、空回り気味ななるのことも優しく受け入れてくれます。

学年も違えば所属するコミュニティも違うので、まったくもって接点なんてないはずなのですが、たまたま屋上で出会ったことで会話をするようになり、やがてその真面目さを見出されて生徒会のお手伝いをするように。

なるが抱く感情は、恋愛感情というよりも、好意や憧れの比率が強く、本格的に恋模様となってくるのはもう少し先でしょうか。

とはいえ先述の通り、キュンキュンできるシチュエーションやアイコンがたっぷりなので、心は早々に掴まれっぱなしです。１巻時点でのウキウキ感だけで言えば、『ハニー』や『手をつなごうよ』よりも個人的には上回っている感あり。今作も甘くかわいらしい恋模様を堪能できそうです。

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©目黒あむ/集英社