2019.10.07
架空の国の、騎士と記憶を失った元王子の主従ラブ!『サンタマリア・ハートランド』鳥生莉世【おすすめ漫画】
『サンタマリア・ハートランド』
軍服、幼馴染、主従関係、記憶喪失、身分差、禁断の恋と、萌え要素がこれでもかというくらい詰め込まれた設定にくらくらしてしまいます。ジャンルとしては主従BLのくくりに入ります。
カップリングは、「従者×主人」の下剋上コース。忠誠心と恋心の間で揺れて苦悩する攻が最高ですよ!
舞台は某軍事国家サンタマリア・ハートランド。
そこで軍人として暮らすオリヴィエとリヨンが今回のメインキャラになります。リヨンはクーデターが起こる前はこの国の王子で、オリヴィエはその専任騎士になる予定でした。
クーデターによってリヨンが暮らす離宮が襲われ、王妃は死亡。リヨンは事件のショックで記憶を失ってしまいます。2人は士官学校に進み、軍で同僚として働くようになり、リヨンは自分の身分を知らずにオリヴィエに恋をしてしまいます。
そうなのです。この2人、両想いだというのに、オリヴィエの身分意識が障壁となって長い間ずーーーーーっとすれ違い続けることになるのです。
お互いが好きだというのに、気持ちを確かめあえないもどかしさ。相手も自分が好きだと分かったあとも、その好意を受け入れられない苦しみ。それが延々と続いてしまうわけです。オリヴィエの理性がその辺の攻を100人集めて足したたよりも鉄壁で、攻の中にはこんなに理性が勝つ男も存在するんだなと感心するレベルでした。
オリヴィエの鉄の理性が綻ぶのが、物語の終盤、クーデターの首謀者が尻尾を出して捕まってからでした。長かった……。最終的にはリヨンの記憶は戻ってくるので、このカップルの関係性は、友達→主従→同僚→恋人という、人間関係のフルコースみたいなことになっております。
仕えて守るべき相手を好きになって、その後は立場を考えて自分を抑え続けたオリヴィエが眩しい騎士すぎました。萌ポイントがたくさんあるので、最初に並べた萌ワードにピンときたらぜひぜひ、手に取ってみてくださいね。
©鳥生莉世/プランタン出版