2019.10.18
世界を救うことを目指すヒロインが主人公、パロディ満載の異色ラブコメ!『救国のメシア』ぐんたお【おすすめ漫画】
『救国のメシア』
ラブコメです
ちょっと前に発売された作品なんですけれど、最近読んだのでご紹介したいと思います。ぐんたお先生著『救国のメシア』です。
なんか新興宗教の教祖による書籍みたいなタイトルしてますけれど、ジャンルは宗教じゃなくて、ラブコメです。表紙になんかよくわかんない人物(人なのかも判然としない)が写ってますけれど、主人公です。ラブコメの主人公です。
世界を救うべく月からやってきた飯屋ちふる、17歳。思うように世界を救えない彼女が出会ったのは、これまたワケアリの地球人ばかりで!? 世界を救うヒントを探すべく、メシアの挑戦は今日も続く!!恋の悩みも世界規模!? 世界を救うハートフルラブコメ☆
異色すぎるラブコメの主人公
ここまでの説明でうっすらと感付かれてると思いますが、割と出オチ感あるコメディです。表紙に描かれているのが主人公の飯屋ちふるで、普通の女子高生として日々を過ごし、世界を救うためにはどうしたら良いかを日々考えています。
別に世界を救うと言っても、敵が襲来するわけでもないですし、今あるこの現実世界をどう良い方向に導けばよいのかという、なかなか難しい課題に直面してるわけですね。で、まずは手が届く範囲で……といった感じで、身の回りで起こる様々な出来事に、救世主として立ち向かっていくというお話。
主人公のちふるですが、”飯屋アビリティ”として様々な能力を使うことができます。実質無敵といった感じで、空も飛べるし、ビームも出せるし、そこら辺のヒーローができることは何でもできます。で、このなかなかイカしたご尊顔ですけれども、実は高機能のマスクで、マスクを取ると黒髪ロングの美少女が。
ただ作品中で素顔が露になるのは数ページで、ほぼほぼこのエイリアンチックな無表情で物語が展開されます。そこに何の意味があるのかと問われるとよくわからないんですが、そういう世界観ということで。
愛を育てるイベントがハードすぎる
で、どの辺でラブがコメするかというと、同じクラスの成績優秀・スポーツ万能・容姿端麗なパーフェクトイケメンの藤原くんと、なんとなくいい感じになっちゃうという展開。
ただ通常のラブコメと違って、愛を育てるイベントが、体育祭とか文化祭とかの生ぬるいヤツじゃなくて、巨大なイカと戦ったり、墜落しそうな飛行機を助けたり、隕石の落下を防いだりと、バッキバキのヒーローイベントってところがミソ。
しかも日常からいきなりそういうシーンに飛んだりしますからね。展開がマッハ過ぎてやばい。
パロディ満載
一見とてもスケールが大きそうなストーリーなんですけれども、中身はパロディ満載の雑然としたコメディで、その辺はむしろこじんまりとまとまった印象。雑にパワーだけで押し切ってもよいところを、ちょこちょこと小ネタを挟んだりしてくるので、いい意味で読むのに疲れます。
のっけから『ドラクエⅢ』の滝、『チャリで来た。』、『赤い実はじけた』と、これでもかとパロディ&パロディ。たぶん自分が拾えていないだけで、いろいろ落ちてるんだろうな……。
どんな作品かと問われると、やっぱり「ラブコメ」ってことになるんでしょうけれども、ここまでの話で、普通のラブコメでないことはしっかりと伝わったかと思いますので、あとはもう自分の目で確かめてみてください。さっそくためし読みへGOです!
©ぐんたお/宙出版