2020.03.06
恋する青春男子のキュートなラブコメディ!『そこの恋するバイト諸君!』水野美波【おすすめ漫画】
『そこの恋するバイト諸君!』
水野美波先生の『そこの恋するバイト諸君!』が発売されました。
表紙に男の子がいっぱい描かれているし、「バイト諸君」ってぐらいなので、『虹色デイズ』よろしく、爽やか男子たちがわちゃわちゃと恋する青春群像系のお話なのかなぁと思っていたのですが、意外とそうじゃなかったです。
描かれるのは、バイトするひとりの男の子の恋模様です。
ひとめ惚れしたのは男の子!?
物語の主人公となるのは、ひょんなことからおじさんの喫茶店を手伝うことになった高校生・和馬。最初は嫌々だったものの、メチャクチャ美少女な店員を見つけてアルバイトをすることを決意します。
しかし働き始めて早々、違和感に気づきます。ウィッグをしている…? 化粧をされた…? よく見ると背も高い…? 名前を聞くと、由宇也(ゆうや)だそうで……というストーリー。
水野美波作品のテンプレ的主人公
男だと分かっていても、その後もなんやかんやでときめいてしまう純な和馬君。いやーこの勢いと情けなさ(童貞っぽさ)がたっぷり詰まった青春指数の高い男の子、水野作品のテンプレ的男子で大好きです。
つまるところBLなのかと思いきや(絶対水野先生好きですよね、そういうの。)、実は物語には裏があり……と、ここから先は読んでからのお楽しみとしましょう。
魅力的なキャラを生み出す力
設定というか背景こそ突拍子もないものなのですが、展開されるのは一組だけの恋模様で、かつ実にオーソドックスなストーリーとなっているので、水野先生の絵柄の綺麗さも相まってメチャクチャ読みやすいです。
なんだろう、本当にストーリー展開とか、「何番煎じだ」ってぐらい手垢のついたもののはずなんですが、それでも読めちゃうし、なんなら「イイ…!」とすら思えてしまう。
それはひとえに物語の見せ方が上手いからなのでしょうが、何よりキャラクターが揃いもそろって魅力的であるところがポイントなんだろうなぁという気がします。ちょっとした脇役ですら、キャラが立ってて可愛らしいんですから。
特にメイン2人はキャラクターとしてあざといんですよね。作品中での性格がってことではなく、好きになるように描かれているというか、そりゃあ好きになるわ、応援したくなるわっていう表情・発言・リアクションが詰まってる。改めて水野先生の魅力的なキャラを描き出す力を目の当たりにしました。
さて、ここまであまり作品内容に触れず来てしまいましたが、ネタバレになってしまうので踏み込めず歯がゆいです。どんな裏があるのかは、その目で是非確かめてみてください。
©水野美波/集英社