2018.04.15
【まとめ】鬱々とした悩みはダンスマンガを読むと吹き飛ぶって知ってた? 悩みのタイプ別おすすめ作品
人間関係にすぐに疲れてしまう。どうしても自信がもてない。せっかくやりたかった仕事についたのに、なんだか楽しくない。毎日毎日同じことの繰り返しで嫌になる……。
人生の様々な局面で、私たちの多くはこんなぼんやりとした悩みに鬱々としてしまう。
そんなときにオススメしたいのが、ダンスマンガ。
本来、踊りとは、本能的なものだ。嬉しくなると、つい体が勝手に飛び跳ねる。悲しいことがあると頭を抱えて膝をつく。楽しみな予定に向かう足は、自然と軽く飛び跳ねるようになる。誰に教わるでもなく、音楽が鳴ると体がノリ始める。
その一方で、社交ダンスやバレエなど競技性が出ると途端にそこには次々と制約が現れる。思うように踊れない。好き勝手動くと怒られる。パートナーと気持ちが通じあわないとうまく踊れない。しかし、地道な鍛錬や関係性の構築の先に、本能だけでは到達し得なかった新たな喜びが生まれるのも、またダンスなのである。
今回はそんなダンスマンガを悩みのタイプ別に紹介する。ぼんやりとした悩みに暗くなってしまっている人にぜひ読んでほしい4作品を選んだ。
自分が本当にやりたいことをしたいけど勇気がもてずに鬱々としやすいあなたに
『ダンス・ダンス・ダンスール』
学生時代の就活期、どんな仕事をしたいかわからなくなった瞬間がありました。正確には、わかっているけど、勇気がなかったんですね。物書きの仕事がしたいけど、どうも不安定そうだ。安定した収入が欲しいなら、やっぱり大手の企業とか公務員かな……? どう考えても、あの頃の私は迷走期でした。けっきょく今は物書く仕事してるし。
ただ、同じような悩みを抱えている人って多いと思うんですよね。やりたいことはあるんだけど、なかなか怖くて振り切れない。ずっと、ちょっとだけ自分に嘘をついている気分で、なんだか自己嫌悪。
中学2年生の村尾潤平は、幼い頃にバレエに魅了されるも、父の死をきっかけに「男らしくならねば」という理由でバレエを諦め、格闘技のジークンドー (=ブルース・リーが創出し、様々な格闘技の技術を取り込んだ“無形武術”のこと)を習うようになります。でも、バレエへの未練は捨てきれない。そんなある日、転校生で母親がバレエスタジオを経営する本作のヒロインでもある五代都(ごだいみやこ)にバレエの興味を見抜かれ、バレエを一緒にやろうと誘われます。
また、それだけ悩んだ分、「でもやっぱりバレエをやりたい!」と吹っ切れたときの彼の清々しい表情を見れば、好きなことに一歩踏み出す勇気が得られること間違い無し。
人間関係がうまくいかずに鬱々としやすいあなたに
『BUTTER!!!』
スポーツマンガにおけるチームプレイは、社交ダンスだとカップルプレイ。ここまで体も顔も近づけて、ともに足並みをそろえて動くことなんて、普通に生きていてなかなかありません。だからこそ、今までは見ないふりをしていた自分や相手の悪いところが浮き彫りになってきたりもするんですよね。
ヒップホップに憧れながらも、うっかり社交ダンス部に入ることになった夏は、クラスメイトに勝手に入部届を出されたことをきっかけに嫌々入部した端場とペアを組むことに。他の同学年の部員は、自分の体型にコンプレックスがあり消極的な柘と八方美人でなかなか素を見せることがない掛井。お互いに対する不満や鬱憤から、たびたび人間関係に亀裂が入りながらも、毎回ぶつかり合いながら絆を深めていきます。
競技ダンスマンガの中でも特にTHE青春!という感じで、きゅんきゅん度も高いこの作品。と同時に、人間関係の亀裂やあるあるな不満も巧みに描かれていて、社交ダンスをやっていなくても「わかるわかる、こういう嫌な瞬間ある!」というシーンも多数。
人間関係に悩みがちな人には、何かしら解決のヒントを得るきっかけになるかもしれない作品です。
自分に自信がもてずに鬱々としやすいあなたに
『ボールルームへようこそ』
競技ダンスマンガが他のスポーツマンガと違い面白いのは、評価の基準に踊っているときの表情や醸し出すインパクトなど、自分自身の見た目も関わってくる点です。いくらダンスに興味はあっても、自分に自信がなければなかなか一歩踏み出せないジャンルでもあります。
平凡で特に将来の夢もない中学生、富士田多々良は、とあるきっかけから社交ダンスの教室に入り込んでしまい、ダンスを習うことを決めます。観察力があり、パートナーの気持ちを汲むことができる多々良は、未経験ながらダンスの力をめきめきとつけていきます。
でも、社交ダンスは魅せる競技。いくら技術を身につけても、自分のことをうまく魅せられなければ、感動させることはできません。パートナーの女性のことばかり考えて、自分がどう主張したいか考えてこなかった多々良は次第に壁にぶつかるようになります。
たくさん葛藤しながらたどり着く、自信と存在感が備わった瞬間のダンスシーンは鳥肌もの。「自信がなくて一歩踏み出せない」と遠慮がちな人にはぜひ、多々良が悩みながらも開花していく姿を見て欲しい!
日々のルーティーンに鬱々としやすいあなたに
『背すじをピン!と~鹿高競技ダンス部へようこそ~ 』
少年ジャンプで競技ダンスマンガ! さすが王道の少年マンガという感じで、キャラクターの個性も豊か、ストーリー展開やギャグ要素もわかりやすく、最初に選ぶダンスマンガとしては一番とっつきやすい作品かもしれません。
主人公の土屋雅春は、高校入学後の部活紹介で競技ダンス部のパフォーマンスに感動。ちょっと戸惑いながらも、最終的に入部を決心します。同い年で同じく未経験の亘理英里とカップルを組み、一から競技ダンスについて学び始めます。
地味だけど着実に丁寧に進歩していく二人の姿は、ハッタリや突然の能力開花みたいな展開がなくリアルで好感がもてます。華やかで大胆なダンスを繰り広げるためには、けっきょく基礎の反復を腐らずにやることが肝心なんですよね。華麗なる社交ダンサーは、裏では地道な練習の繰り返しなのだと思うと、なんだか自分も普段のルーティーンに腐らず頑張ろうかな、なんて気が起こってきます。
鬱々な悩みから脱するために必要なのは、自分の気持ちに正直になり、そこから一歩踏み出す勇気。ダンスマンガに出てくるキャラクターたちは皆、シンプルです。「自分が楽しいからやる」。それ以上でもそれ以下でもない。そしてより楽しむために彼らは地道な鍛錬を欠かさない。
やりたいことに向き合っている人ほど、その先が見えているからか苦労に強い。
もし今何かしらの悩みを抱えている人がいたら、ぜひダンスマンガを読んで、自分の体や心に耳をすませてほしい。読み終わる頃には、きっといてもたってもいられないくらい勇気をもらえているはずだ。
©ジョージ朝倉/小学館, ©ヤマシタトモコ/講談社, ©竹内友/講談社, ©横田卓馬/集英社