2020.06.03
ちょっぴり甘えん坊でヤキモチ焼きな殺し屋の奥さんとの、幸せほんわかラブコメディ!『拝啓…殺し屋さんと結婚しました』高坂曇天【おすすめ漫画】
『拝啓…殺し屋さんと結婚しました』
殺し屋の奥さんはちょっぴり甘えん坊でヤキモチ焼き
なにがどうなって殺し屋さんと結婚なんてするのかはわからんのですが、いいんです。それよりも闇の世界の殺し屋がめちゃかわで、一緒に暮らす生活は甘々ニヤニヤものだというところが大事な、幸せほんわかラブコメディ。殺伐要素はほぼないです。
せつなさんは裏世界の殺し屋。彼女と結婚してからの生活は意外と普通で、落ち着いた感じ。ただし仕事のクセがたまーに出る。押し売りにナイフを突きつけたり、ゴミ袋に凶器が入っていたり、こたつの天板が防弾性だったり。
それでも二人はいつもイチャイチャ。お互いを信頼しきった愛あふれる二人は、気がつけば寄り添ってくっついているほど仲がいい。今の課題をあえて言うなら、お互いピュアすぎるので、キスの次のステップに踏み出す勇気を持てるように頑張ることくらい。
せつなさんは表情を一切変えないのだが、クールなわけではないのが魅力。殺し屋として生きている内に彼女は表情を殺す技術を覚えたため、見た目は冷静に見える。しかし彼女の恋愛感情は非常に情熱的。旦那にはぐいぐいと愛のアプローチをしてくる。
スイーツのお店に二人で出かけた時、表情は変わらないものの、時間が近づくほどにそわそわ身体が落ち着かなくなる。寒い夜二人で外を歩いていた時、旦那を温めようとぎゅっと抱きついてくる。ものすごい甘えん坊で恥ずかしがり屋な彼女、一緒のベッドで寝ると恥ずかしすぎるためについ背中を向けてしまう。
せつなさんは大人の殺し屋ながらも、その姿は初恋を迎えたばかりの少女のようで、見ていてこちらが照れてしまうレベル。
旦那の方の思いやりも見ていて微笑ましい。言葉でも感情を殺すせつなさん、基本的にあまり多くは語らない。例えば「そうか」という淡々とした返しをする時、彼はせつなさんの言葉の真意を考え、思いをちゃんと受け止めるよう努力し続けている。彼も相当シャイな人間だが、せつなさんの好意を決して無駄にはしない。
生きる世界はちょっと違うけれども、お互いが足並みをそろえて同じペースで歩こうと努力しているから、それでいてちゃんと自分のわがままは出せているから、二人の生活は円満なものになっている。
現時点では殺し屋であることによる生活の危機は一切訪れる様子がない。基本的に殺し屋要素は「外見はクール、内面は情熱的」になったせつなさんの性格の理由付けになっている程度。「切り替え」の慣れで夫婦生活と殺し屋稼業は完全にわけることができているらしい。
だからこそ、見えない殺し屋部分の反動で、見える部分は思いっきりいちゃついて安心させてほしくなる作品。
イチオシは、旦那がせつなさんを背中から抱きしめながらイチャイチャ帰っていたところを、隣の部屋の人に見られて二人が赤面するシーン。殺し屋、愛の前では隙だらけ。
©高坂曇天/KADOKAWA