『食べてもおいしくありません』

山田2丁目先生の「オニ×ヒト」です。現代もので男子高校生でギャグテイストですので、異種間恋愛というほどの特別感はありません。

世の中はオニ9割、ヒト1割という人口逆転が起きている世界観です。年中繁殖期たるヒトを1割にまで抑え込むオニの繁殖力やべーな……というのが一発目の所感ですが、オニといっても角がある程度で、それほどヒトと違うところはなさそうです。

角の大小でマウンティングがあるみたいで、あれ武器として有効なのかな……という疑問もあったのですが、作者曰く、角はけもみみ感覚ですというノリなので、深く考えるのはやめてライトに楽しんでいきましょう！

日和は希少なヒトですが、自分がヒトであることは隠して生活しています。

それがあるとき、巨ツノの同級生・穂高にヒトだとバレてしまい、甘くていい匂いがするから食わせろという謎理論でおいしくキスを頂かれてしまいます。食べても美味しくないと言っても食べてみればわかるとかわされ、ヒトってばらされたくなかったらこれからもよろしくという流れで、しょっちゅう呼び出されてキスされるように。

とにかく、日和がいろいろちょろいのが可愛いですね……。

いい匂いがして食べたいだけで、好きだからこういうことをするわけじゃないんだよな……って、いつのまにか穂高に恋する男子になってるし、本能（性欲）だけで求められてるんだよっていじけるところもまた可愛いのです。

穂高はというと、好きどころではないくらい日和にドはまりしているので、両片思いみたいな雰囲気です。深刻さはあまりないですが本人たちはガチで悩んでいるので、なんというか異種間恋愛というよりただの青春ですね！

日和の発している甘い香りは穂高限定ではなくほかのオニにも効くようで、穂高は気が気ではありません。両思いになった後も全方位に対オニフェロモンをまき散らし続けることになるとしたら、穂高はこの先とても苦労しそうです。

最初から最後までノリのいいテンポで楽しめる割と肌色シーンもしっかり入っているナイスエンタメBLなので、笑って楽しみたいときにはぜひチョイスしてみてください♪

©山田2丁目/リブレ