2020.12.09
温泉に住む天邪鬼少女は、わかりやすすぎて可愛らしい究極のツンデレ女子!『つむじまがり×すぷりんぐ』夢乃狸【おすすめ漫画】
『つむじまがり×すぷりんぐ』
温泉に住む天邪鬼少女は、わかりやすすぎる究極のツンデレ女子
「ツンデレ」は今やオタク文化のときめき要素として絶対欠かせないもののひとつ。普段は冷たくあたって心を折ってくるにもかかわらず、ふとした瞬間に相手への好意を見せることでギャップにコロリとやられてしまう。
究極のツンデレを突き詰めていけば、「ひねくれ」という意味では民話に出てくる妖怪・天邪鬼に突き当たるかもしれない。相手の言動に全て逆らう面倒くさいひねくれ者だからこそ、感情が見えた時のキュートさは爆弾級。
この作品に出てくるヒロインの凸丸(とつまる)は、話しかけたこと全ての逆を言う天邪鬼の少女。高校生の男子・温水泉(ぬくみず・いずみ)は大きな温泉のある祖父の家で一人暮らしをすることになった。
放置して荒れ放題だった温泉を見に行くと、凸丸が一人隅っこで三角座りをして何かを待っている。それを見た温水は思い出す。幼少期に出会った天邪鬼の彼女は、ひねくれたがゆえに温水を待ち続けていたのだ。
この温泉は妖怪達が集まり団らんする日本唯一の温泉。温水は温泉をもとに戻すべく奔走しはじめる。そんな中でも温水に対してひねくれ続ける凸丸。「全部逆に言う」というのがわかっていれば、逆に扱いは簡単。祖父の家を自分の家だと言い張る凸丸と、妖怪たちに振り回されながら温泉経営を行う温水のドタバタ共同ライフがはじまった。
凸丸のチョロさが魅力的な作品。やんちゃで人に迷惑をかけるのは間違いないのだが、反射的に逆の言葉を言うのであれば、その逆の言葉を言えばなんでも引っかかってくれる。
「嫌われちまったかなぁ」といえば「ちょー大好き」と反射で逆のことを答えてしまい、ふと言葉の意味に気づいて赤面してしまう。
温水の友人が凸丸に、泉君と一緒に居たいんでしょう? という旨の問いかけをすると、「違うしッ」と反論。友人はわかっていないかもしれないが、温水は彼女の本心が「違う」の逆であることに気づいて顔が赤らんでしまう。
出かけようとする温水に凸丸が「もう帰ってこなくていいし」と言うシーンがある。ここまできたら、その逆で帰ってきてほしいんだということは明白。驚くほど素直でわかりやすい、純朴なキャラとして仕上がっている。
全編にわたって天邪鬼という体質ゆえのツンデレが楽しみまくれる作品。凸丸が子供体型なのに実は脱いだらいい発育状態だったり、常にパンツをはかず大きなTシャツ一枚ですごしていたりと、サービスシーン満載。作者が成年マンガジャンルで鍛えてきた女体の繊細な描写が光る。
温泉復活後はいろいろな妖怪が訪れ、抱えている問題を解決していくストーリーが展開される。次々登場するセクシー女子妖怪たち、ひねりの入ったちょっと変わったフェチズムが次々描かれる。1巻から「女の子が相撲を取る」というかなり特殊な、でも刺さる人には深く刺さりそうなシーンも登場。今後は妖怪女子たちのバストサイズも小中大とバラエティ豊かになっていく。全裸でくつろぐ女の子の姿はしっかり満喫できるので、温泉女子好きなら必読の書だ。
©夢乃狸/講談社