2018.12.05
【日替わりレビュー:水曜日】『わたしのために脱ぎなさいっ!』九郎
『わたしのために脱ぎなさいっ!』
割と一線超えてるエロマンガ家JKのモデル集め
二ノ瀬しずくは高校生1年生。兼・青年向けマンガ家。ペンネームは「爆乳☆揉太郎」。処女。
今の悩みは、決定的なまでの資料不足。いや待てよ、JKなら身の回りに資料は山ほどあるではないか!?
同じクラスの白川心菜(しらかわ・ここな)に目をつけたしずく。ここなは超ナイスバディの持ち主で、ゴムを持ち歩くビッチだと噂されている。早速彼女に接触したところ、実はエロを微塵も知らない、うぶな子だと判明。
それはそれで! 彼女のエロボディ目当てで、しずくは友達になることを決意する。
中盤から出てくる、モデル候補の女子たちの「オタエロ」が見どころ。ビッチギャルを気取っているものの実は経験がなく、魔法少女が大好きなオタク少女。スケベコスプレ大好きな女教師。百合好きロリ体型漫研部員との野球拳イラスト対決。
中でも生真面目な風紀委員に見えて、実は(※書けません)な女の子とのやり取りは、ガチでエロマンガの資料にもってこい。
かなりぶっ飛んだ作品なので、頭を空っぽにして女子スケベを楽しむのがベター。出てくる女子の体型や性格がバラバラなので、お好みの子を探すのもグッド。
ただ、ヒロインのしずくはなんだかんだいって、真っ向な欲情をしていないのがポイントだ。モデルにしたい女子たちにぐいぐい近づくものの、それはあくまでも資料だから。相手に対しての性欲は全く湧いていない。この主人公の「安全」感が、本作を安心して読めるものにしている。処女の子は性的に誰かと接触したり一線越えたりしない。
心菜に対して、モデルという視点ばかり向けていたしずくが、次第に「うちの子が一番かわいい」的な感情を抱き始める。他の女子にモデルを迫るとは言え、コミュ障気味な彼女が、人に接しようとしはじめるのは成長が見られる。
もっとも心菜のことは「作画資料」呼ばわりする雑さは変わらない。熱血漢のようでいて、外道な彼女の言動が、この作品の魅力の一つだ。
©九郎/KADOKAWA