2019.03.07

【マンガレビュー】『チェンソーマン』藤本タツキ【ジャンプ随一の新世代ダークヒーローアクション!】

『チェンソーマン』

(今日は木曜日担当・園田さんがお休みのため、日曜日からの出張で、コミスペ!編集部がお届けします。)

「少年ジャンプ+」発のダークファンタジー『ファイアパンチ』でマンガファンのハートを一発で掴んだ鬼才・藤本タツキ先生が、「週刊少年ジャンプ」で新たに連載する作品、『チェンソーマン』。その記念すべき第1巻が発売されました。

「ジャンプ」で藤本先生の連載が始まるなんてどうなっちゃうの? 大丈夫なの……? と心配をしちゃった人の予想は”ある程度”正しく、確かに本作でも不条理で胸くそ悪いグロい死に様や、スプラッターな血しぶきプシャーは満載です。

だがしかし、そういう表層的なグロ表現などは味付けにすぎないと大して気にならないほどに、凄まじい傑作の誕生を感じます。少年マンガ好きならまず間違いなく楽しめると、太鼓判を押せる作品です。

まずはご託は置いといて、藤本タツキ先生の妹という体の公式Twitterアカウントからポストされた第1話を読んでみてください。

特定のモノの名前を持って生まれた悪魔が存在する世界で、自殺した父が残した借金に追われ、また死に至る心臓病だった母の病気も受け継いでしまった、極貧で圧倒的に不幸な主人公・デンジ。彼はひょんなことから命を救い契約して仲良くなった「チェンソーの悪魔」ポチタと共に、悪魔を退治する「デビルハンター」として生計を立てていました。

ある日、借金の取り立て人だったヤクザが、力を求めて悪魔と契約しゾンビ化。デンジとポチタは、ゾンビの悪魔に不意を突かれて、為す術無くバラバラにされ殺されてしまいます。しかし、デンジの血液を偶然にも体内に取り込んだポチタは生きかえり、自らを彼の心臓の代わりとして合体、デンジを復活させます。

生還したデンジはポチタと合体したことで人間と悪魔の狭間にいる存在となり、「チェンソーの悪魔」へと変身できる力をも手に入れ、ゾンビの悪魔に打ち倒すことに成功します。そしてそこに、同じくゾンビの悪魔を倒そうと偶然居合わせた公安のデビルハンター・マキマと出会いますが、彼女に悪魔として殺されるよりも人として飼われることをデンジは選択。飯もまともに食べれる人並みの生活を続けるために、公安の一員として悪魔や魔人と戦う日々に身を投じていくのです──というのが冒頭のあらすじ。

『ファイアパンチ』では、映画のごとく何層にも展開されていく不条理でダークな物語に強烈なエログロスプラッターをまぶしつつも、その隙間からヒューマンドラマを紡ぎだすことにトライした意欲作ではあったものの、先生が表現しようとする内容に対してたどり着くことを諦めリタイアしていく読者も少なからずいたという印象ではありました。

が、本作では冒頭よりデンジとポチタの熱い友情があったり、デンジがわりと純粋で真っ直ぐな心の持ち主であることが随所より感じれたり、他のキャラクター達も性格タイプが理解しやすい設計をされていたりなど、ジャンプにあわせた少年マンガチューニングがかなりされており、よりエンタメ性の高い作品に仕上げられていると感じます。

また、アクション・バトルにおける爽快感、躍動感の演出力が凄まじくレベルアップ。特徴的なカットや物語の転換時に叩きつけられる大ゴマや見開き使いも、更にパワーアップしており、興奮に拍車をかけます。初めて「チェンソーの悪魔」に変身し、ゾンビをチェンソーでぶった切ってくシーンは特に最高で、「そっか! テメエら全員殺せばよぉ! 借金はパアだぜ!」とゾンビを踏みつけゴリゴリとチェンソーで切りまくり笑う見開きは正に痛快の一言。

その上、マキマや公安の先輩・早川アキ、ギザ歯の魔人・パワーちゃんなど、魅力的な主要キャラ達も揃っておりこれからのストーリーにおける絡みにも非常に期待できそうです。

ずっと褒め倒してきましたが、ほんとに最近読んだマンガで一番テンションがあがりました。藤本タツキ先生、こんな凄まじい作品を産み落としてくださって本当にありがとうございます。

今からチェックしておいて頂きたい、間違いなくオススメの『チェンソーマン』。ぜひお手に取ってみてくださいね。

この記事を書いた人

八木 光平

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