2019.03.15

【マンガレビュー】『嫁にしたい男』田島みみ【性格難ありだけど家事力高めな万能イケメンとの同級ラブ!】

『嫁にしたい男』

家事ができる男って、憧れちゃいますよね。掃除の行き届いた、おしゃれなインテリアに囲まれた部屋で、パパっと小洒落た料理を作る……みたいな。実際そんな男子が実在するのかわからないんですけれども、もし仮にいたとしても、相当こだわり強くて逆に結婚できなそう(持たざる男の僻みでしかない)。

さて、本作『嫁にしたい男』は、そんな実在するのかわからない、家事のできるイケメンがお相手の物語です。

物語の主人公は、敏腕社長秘書として社内でも噂のデキる女・。仕事を完璧にこなす彼女に憧れる人も少なくないのですが、実はある秘密が……。それは、彼女が汚部屋の住人であるということ。着古したダサい部屋着に身を包み、ソファにあぐらで座りながら、鍋からラーメンを直接すすり食らうその姿は、会社でのイメージからはかけ離れたもの。

ところがある日、酒に酔った勢いから、会社の後輩・成田に汚部屋の秘密を見られてしまう。口止めのために彼を呼び出したところ、「ちょうど住む部屋が無いので、一時的に一緒に暮らさせてほしい」と交換条件を持ち出され……というストーリー。

いわゆるひとつの同居物語。実際に一緒に暮らしてみたら、成田の家事力の高さに谷は驚愕。数日後、部屋を出ようとする成田を呼び止め、交渉の上、同居生活を継続することになります。

成田はいわゆる面倒見の良い優しい主夫系の男子ではなく、むしろズボラな谷に対しての当たりは強いぐらいの、生意気オラオラ系。先輩後輩の関係ながら、あっという間にタメ口になりますからね。けれど、ちょっとしたところで気遣いを見せてくれる上に、こなす家事は完璧と、難ありな性格ながらも、谷からしたら手放すことの出来ない存在となるのでした。

同居しているのですから、そりゃあもう色々なことが起こりますし、二人共うら若き独身の男女ですから、家の外でだって色々なことが起こります。最初は互いを意識をしていなくても、過ごす時間が増えれば親しみは湧いてきますし、それぞれに見知らぬ男女の影が見えれば、嫉妬心だって生まれたりします。

かくして恋物語は転がっていくわけですが、言ってみれば同居させた時点で「勝ち」な物語なわけですよ。漫画家はあの手この手で同居の口実を作るわけですが、田島みみ先生はそれがとにかく上手い。

あらすじからも分かる通り、シチュエーションだけ見ると、結構無茶苦茶な展開で同居してるんですが、読んでいる間は一切違和感が無いんですよ、これが。会話なのか、醸し出す雰囲気なのか、そのさじ加減こそわからないものの、確かに生み出されている謎の説得力によって、この非現実的な恋物語を、なんの抵抗感もなく全身で浴びることができるのです。

みんな大好き同居もの、大人の恋愛ですから、ドキドキ感もプラスしてお届けします。気になる方はぜひチェックを!

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いづき

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