2018.02.13

【日替わりレビュー:火曜日】『空挺ドラゴンズ』桑原太矩

『空挺ドラゴンズ』 3巻

ドラゴン討伐と龍肉グルメ『空挺ドラゴンズ』! 少女の葛藤が胸を打つ3巻

雲を掻きわけ滑空する龍に銛を刺して、ドラゴンの背中に乗り移り、急所にとどめを刺す。血しぶきが舞い、返り血を浴びながらトドメを刺す龍捕り(オロチとり)の生き様を激しく描く!

空想上、最強の生物と謳われることも多いドラゴンを狩るものたちの冒険譚『空挺ドラゴンズ』(桑原太矩/講談社)。現代世界の「捕鯨船」がクジラを狩るように、空飛ぶドラゴンを飛行艇で狩って仕留めていくファンタジーマンガです。龍との戦闘を1コマ1コマ、ダイナミックかつ荒々しいタッチで描く画力の高さに惚れ惚れ。大興奮を覚える絵作りになっています。

さらにここからが本番。仕留めたドラゴンは、船団のみんなで料理して美味しくいただいちゃうんです。『孤独のグルメ』に代表される飯マンガは、いかに旨そうに描くのかがポイント。
本作で登場するのは、ドラゴンを捌いた肉を鉄板焼きにしたステーキ、串焼き、カツレツ、ミニドラゴンの揚げ物など龍肉づくし。現実には存在しない生物を扱った料理。なのに、そりゃもうヨダレが口にこみあげるほど旨そうに、団員たちは平らげてしまう。みんな、食レポ上手すぎでしょ。読者は龍の肉を食べたくなっても食べられないので、読んでいてむしろ寸止めされて辛いっ(褒め)。

そんな大冒険&飯ドラマを、空挺団の新人・タキタという元気で快活な少女の視点から描いています。もう一人の主人公・ミカは、見た目は無精髭を生やした、あまりパッとしない青年。なのにドラゴンを目の前にすると目がらんらんと輝き、ドラゴンを見つけるやいなや、一番に乗り出す凄腕の龍捕りに早変わり。タキタはそんなミカに憧れを持ちつつも、普段のだらしなさに呆れ果てたりと、喜怒哀楽の激しいタキタの豊かな表情にも注目。

『空挺ドラゴンズ』は、タキタが冒険の中で様々な経験を積んで成長していく物語でもあります。3巻ではタキタが飛行艇から墜落して遭難する話。自分に懐いてくる赤ちゃん龍を愛らしく感じて、ペットとして可愛がるタキタ。ですが衰弱した身体は栄養を欲します。懐いている子龍の親を食べられるのか、激しい葛藤が胸を打ちます。拾われた村で養生するうちに、人間と龍が共存できないことを悟ったタキタの選択は───。

ドラゴンとの死闘と、心の機微を描く人間ドラマが両立した、極上のエンタメ作品になっています。

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かーずSP

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