2019.03.18

【マンガレビュー】『ふたりのライオン』古矢渚【胸キュン必須の学生ラブ!】

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『ふたりのライオン』

大学生同士のカップリングです。同じ高校出身だけど、高校時代はほとんど接触がなかった二人が大学で出会って友達になるという流れです。主人公が、宍戸順平鬼塚礼央だから、二人とも名前にライオンが入ってるんですね。分かりやすいタイトルです。

礼央は高校時代、チンピラに絡まれてホームレスのおっさんを助けたことで妙な噂が広まり、「裏番」と恐れられる存在になってしまい、友人というものができませんでした。なので大学でこそは普通に友達作るぜ! と思って同じ高校から進学する人のいない大学を選んだのに、直前で志望校を変更した宍戸がいちゃったんですよね。

事情を知った宍戸が友達1号に名乗りを上げて、友人関係がスタートします。大学の学生生活のはずなのに高校時代の友人関係をすっ飛ばした礼央のせいか、ノリというか雰囲気が何となく高校生です。つまり初々しくてなんだかとても可愛いのです……。雑談したりライブに行ったりつるんでご飯を食べに行ったりお互いの家で遊んだり──という日常が青春っぽくキラキラしていてとても素敵です。

もちろんBLなのでこのままでは済みません。済んだらただの日常ゆるふわマンガです(それも楽しいけれども)。宍戸の心境が変わっていくんですね。友達としてつるんでいたはずなのに、おや? なんだか最近ちょっと違う気がしてきたぞ? となっていく。いつの間にか友達としての好きじゃなくて、恋人に感じるタイプの「好き」になっちゃっているのでは!? え、まさかそんな!!? と自分にびっくりドン引きです。

男同士だしこの「好き」はちょっとシャレにならんだろう……ということで、礼央から距離を置き始めます。

突然、離れていった初めての友達に礼央も戸惑います。いい気はしないと宍戸にも伝えますが、避けられるのは変わりません。友人関係の構築の自信のない礼央は、仕方がないので幼馴染に相談します。そして、

「おまえが動かないとそのまま離れていっちゃうかもよ」

と忠告され、宍戸を呼び出して話し合うのでした。

友達を使って呼び出して自分を避けてる理由を正面から聞く! とてもとても甘酸っぱい展開で、読んでいて口の中に変なよだれがたまっちゃいますね!

話し合いの途中でトラブルに巻き込まれたりしましたが、友情が愛情に変わっちゃったことを伝えられた宍戸と、それを受け入れた礼央。

「頑張ってみれば? たぶんいけると思うぜ」

って!!!!! たきつけるんですよ!!!!!!! 礼央が!!!!!
しかもですよそこで! 終わってるの!

分かりますか……両想いになって! キスすらしないまま1冊が終わったんですYO! えっ……。

中学生じゃないんですよ大学生なんですよなのにまさかのプラトニックエンドです! 描き下ろしでかわいらしくチュッってしてたので間違いなくBLなんですけど。少しずつ気持ちが変化して距離が縮まって両想いになって──終わり! 寸止めBL見たのかなり久々だったのでとても感動しました。

清らかな気持ちのままキュンキュンさせるだけさせて、お洋服は脱がないまま! こんなにこの先の妄想がはかどるお話は本当に久しぶりでした。デザートと言う名のメインは各自脳内補完で楽しみましょう。

この記事を書いた人

アキミ

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