2019.03.19
「パンツの着用全面禁止」× ピュアな純愛ストーリー!『私立はかない学園』紺野あずれ【おすすめ漫画】
『私立はかない学園』
学園の校則で「パンツの着用全面禁止」が発令! 男女とも生徒全員、ノーパンで学園生活を過ごすことになりました! ……そんなアホなっ! というわけで、もうこれファンタジーでしょ! ってことで火曜日の日替わりレビューで紹介します。
パンツを穿かないことで立ち振る舞いが上品になるという理由から、ノーパンを校則に追加した可憐な美人の生徒会長・清和院花緒。副会長の深草夕夏をはじめとして、みんな校則に反対するのですが、ソレ以外は完璧な花緒会長に論破されてしまいます。その結果、テニス部もチアリーディング部も、いろいろ困った羽目に……。
女子はみんなスカートを押さえて落ち着きません。でも、そんなもじもじ恥ずかしがって赤面する女の子が可愛い。その一点突破で描かれた、尖った作風がキモ。そんな中、夕夏と菱丸八尋のテニス部同士、内気な後輩の四ノ宮雪と官能小説が趣味の岩倉香澄といった、様々な恋愛劇が描かれます。
そう、シモネタではあるんですが、ピュアな純愛ストーリーなんですよ。自分に自信が持てない四ノ宮雪が、自分を強く持って行動する岩倉香澄に憧れる一幕は胸にグッときます。ノーパンという飛び道具だけじゃなく、ドラマ性もきっちり確保しています。
そして絵柄に清潔感があるので、下品にはなっていないのも○。その清潔感を支えているのが、局部隠しテクニック。ノーパンであることを示しつつも、肝心なところは生徒の頭部とか、吹き出しのセリフとか、スカートのめくれ具合であるとか、様々なシチュエーションで肝心の部分は見せません。さすが技巧派。この一流のテクニック、シンジ君の股間がヱビスビールの缶で上手に隠れていた『新世紀エヴァンゲリオン』の再来かも。
作者の紺野あずれ先生の、最新作『ノブナガ先生の幼な妻』はアニメ放映されます。ぜひ本作も合わせて楽しんでください。
©紺野あずれ/双葉社