2019.03.24

お茶と和菓子を通して世界が広がるガールズストーリー!『茶の湯のじかん』早川光, pikomaro, 木村宗慎【おすすめ漫画】

『茶の湯のじかん』

本日ピックアップするのは「茶の湯」を題材にしたヒューマンドラマ『茶の湯のじかん』

『高岡さんの妄想経理メモ』という作品を「月刊コミックゼノン」で描かれていたpikomaro先生が作画を、原作を『アントルメティエ』『私は利休』など食系の作品を手がけられる早川光先生が担当、茶道家の木村宗慎さんが監修を務められています。

人間関係のこじれから三ヶ月前に転職し、今は契約社員として働く、主人公の茶々原水希。前職の退職と同時に新しい出会いのきっかけを求めてシェアハウス暮らしも始めたものの、家の中では思った出会いはなく、また仕事もだいたい定時で帰れるけどなんだか毎日淡々として乾いた日々を過ごしていました。

そんなある日、新たな入居者への引っ越し祝いを購入するためにデパ地下へ。可愛らしい和菓子を発見し最後の2つを買おうとした時、オシャレでキレイな外国人女性が自分も買いたかったのか、残念そうにその様子を見ている場面に遭遇します。

なんだか悪いことをしたと感じつつも家に帰ってきたところ、先に到着していた新たな隣人さんは、なんとデパ地下で遭遇した外国人女性その人でした。彼女はフランスから日本文化を勉強しにやってきた留学生のエマ・ルヴェール抹茶好きの彼女は、YouTubeで見て教わったと自らお茶を点ててくれるのです。

まるで昔からの友人かのように一緒にいて和むエマとの共同生活を進める中で、彼女の影響から徐々にお茶の世界に興味を持つようになっていく水希。それに連れて自身の暮らしにも彩りが満ち、華やいでいって──といったストーリー。

まず、pikomaro先生の描く細やかで上品なタッチの絵柄がストーリーにもあっており、ページをめくる度に清涼感に溢れていて素晴らしい。シンプルなファッションの水希とは対照的に、場面によってころころと可愛く変わるエマの髪型や服装にも注目頂きたいところ。

そして、茶道家の方が監修のもと、各方面への取材にも裏付けられたお茶の知識が随所に散りばめられていて、とてもタメになります。日本人でありながら多くの方々にとっても、なかなか馴染みのない茶道。エマという導き手のもと、お茶やお菓子の魅力に気づいていく水希に自分を重ねて、茶の湯の世界を楽しみながら学んでいけるのではないかと思います。

また、作中に登場するお菓子やお店、ワークショップなどは実在するものも数多く、お話の間に挟まれるお茶に関するコラムと一緒に、各話に出てきたお菓子の情報なども載っているのでぜひチェックしてみてくださいね。

更には単行本1巻の発売記念として、「茶の湯体験イベント」が開催されるとのこと。作品を読んでみて気になった方は、このイベントで実際の茶の湯の世界を感じてみてはいかがでしょうか。

試し読みはコチラ!

この記事を書いた人

八木 光平

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