2019.03.27
ちょっとえっちで可愛さいっぱいの百合ラブコメディ!『飛野さんのバカ』筋肉☆太郎【おすすめ漫画】
『飛野さんのバカ』
誰も知らない学校の奥、いい子と悪い子の二人だけの内緒の時間
一回の昇降口のさらに奥、体育館へと続く渡り廊下、その脇にある物置の裏……つまりはだれも見つけられないような学校の隅っこに、飛野さんは1人でいる。学級委員長の真面目な少女、小熊は飛野のことを先生から託され、いつも彼女のところに走って向かう。
いい子と、悪い子の、二人きりの物語。
校内では他の生徒たちがいつも通り過ごしているの中、飛野は小熊を押し倒したり、飛野に耳を嘗められたり、太ももに媚薬(ドンキで買ったやつ)を塗られたり。かなり攻め攻め。1人だっていいや、と拗ねてさぼっていた少女と、最初は義務感で必死に話しかけていた女の子の、じゃれつくような、でもちょっとアンモラルなような怪しい関係が始まる。
基本的にはダウナー気味な飛野が、元気いっぱいの小熊を振り回すのが楽しいコメディだ。小熊が少々耳年増気味なところがあるため、エッチ方面な想像をして空回りするのもかわいらしい。
しかし物語は途中から、小熊視点から飛野視点に変わる。
非常に珍しく授業に出た飛野。そこにいたのは色々な友達と仲良くしている小熊の姿だ。今まで飛野は、自分と一対一でワイワイする姿しか知らない。飛野の押しに負けちゃう小熊のへっぽこな様子しか見たことがない。そんな小熊が、嬉しそうに笑っている。
飛野「私の知らない普段の小熊か…あんな顔して笑うんだな」「小熊に対していつもああして いじって遊んで そんな女に笑ってはくれるはずもないよな」
いつも声をかけにきてくれる優等生、小熊の気持ちは実際どうなんだろう。飛野は小熊に対してどんな気持ちでいるんだろう。もうロンリーウルフじゃなくなったんだろうか。二人にしかわからない関係ですら、お互い言葉にできない。
小熊「………バカ…」
この一言に詰まっている。どんなバカかは見てほしい。今は、学校の裏でもっといじりいじられの関係であってほしいところ。そのうち、お互いはっきり気づくはずだから。
© 筋肉☆太郎/双葉社