2019.03.31

愛が重い!けど可愛いなぁ…!ヤンデレにならない絶妙なバランスのラブコメ!『おもいがおもいおもいさん』矢野としたか【おすすめ漫画】

『おもいがおもいおもいさん』

白泉社のWeb漫画アプリ「マンガPark」で連載中の愛が重たいラブコメ作品『おもいがおもいおもいさん』をピックアップ。3月29日に記念すべき単行本第1巻が発売されたばかりです。

主人公の軽井沢両くんは、同級生の面井みとんさんに中学校3年間ずっと片思い。面井さんは明るくて元気でみんなに優しく、もちろんルックスも良い、まるで高嶺の花のような人気の女子です。

卒業式の日、クラスメイトから面井さんは高校は女子校にいくという情報を聞き、軽井沢くんはどうせ進路がバラバラになるくらいなら、当たって砕けろの気持ちで思い切って告白をします。

結果はまさかのOK。あまりの喜びに思考停止している軽井沢くんに対して、面井さんは「高校に入ったら会えなくなるから 軽井沢くんの学校に転校するね」と突如言い放ちます。

虚をつかれた彼に対して、さらには、高3で学生結婚が可能だね!とか、一緒にいる時はずっと手を繋いでいよう!とか、朝は毎日迎えにいく!とか、他の女の子と仲良くしないでね!とか、他の女の子の連絡先は全部消してね!とか……矢継ぎ早に「重たい」ワードをたたみかけてくる面井さん。

やっべえな……この重さはこの先しんどいぞ……なんて、さすがの軽井沢くんの頭の中にも不安がよぎりますが、面井さんが「告白してくれてありがとう! 大好き!!」なんて満面の笑みで伝えてくれたら、その天使のような可愛さに、すぐさま重さなんて消し飛んでしまうのでした……!

自分のことが好きで仕方がないけど言動がすこぶる重たい面井さんと、そんな彼女のことが心配になりつつも大好きで仕方ない軽井沢くんが、家族やクラスメイトも巻き込みながらハイテンションなラブコメディを展開していく本作。

確かに面井さんは言動がいちいち重たく、一瞬胃もたれしそうになるのですが、全体的にメンヘラではないカラっとした重たさで満ちているのがポイント。また、どんな重たさも最終的には可愛さへと終着できているストーリーやテンポ感のバランスの良さが、作品全体を明るく楽しいものに仕上げられて、ノリノリで楽しく読み進められるのが好感度高いです。

加えて、重い重いと感じてるように見せてくる軽井沢くん自身も、面井さんへの愛が深すぎる、かなりのサイコパスボーイ。随所で面井さん以外への興味の無さが滲み出てきており、その言動をしている時の彼はだいぶヤバいやつ感が出てて笑えます。

それに、元々面井さんは彼に対してどうとも思ってはいなかったのですが、中学校の3年間ことあるごとに面井さんにしか興味ないと周りに言い続けてきた軽井沢くんの姿を、偶然にも何度も見てしまったせいで、知らぬ間に彼女の気持ちを「興味ない→気になる→好き→めちゃくちゃ好き」へと熟成させてきてしまったという、実は面井さんの重たさを作り上げた諸悪?の権化は軽井沢くんなのでした。

面井さんの家族も、さすが彼女の家族達だけあってみんなぶっ飛んだキャラクターなのですが、ハイスピードで愛を深めていく二人に対してはなんだかんだ適度なスパイスとなるくらいの当て馬っぷり

今後もどんな障壁が出てこようが、2人はだいたい大丈夫そうなんですが、逆に何があればがっつりケンカとかになるんでしょうか。そんな姿を見たいような見たくないような……なんて奇妙な感情になってくるほどです。

そんな『おもいがおもいおもいさん』は各話ショートストーリーでまとめられているため、愛が重たいとは言いつつ、ストーリーとしてはライトなのでまずは試し読みからチェックしてみてくださいね。

単行本では電子版限定で矢野としたか先生の前作、『コンビニ暮らしの神子上先輩』ともコラボしたおまけ漫画も掲載されているので、こちらもお見逃し無く。

試し読みはコチラ!

この記事を書いた人

八木 光平

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