コミスペ!

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2019.04.13

【まとめ】マンガ家が選ぶ! 今月の注目!新連載マンガ【2019年3月】

毎月100本以上の新連載が始動しているマンガ戦国時代とも言うべき昨今。その中でも、マンガ家たちが注目した作品をピックアップしていく本連載。

今回は、2019年2月18日~2019年3月24日の間に始まった新連載マンガから「マンガ技術研究会」(マンガ家による勉強会サロン)が着目した作品を紹介いたします。

『可愛そうにね、元気くん』

主人公の廣田元気くんはリョナラーだ! 学校でクラスメイト女子の八千緑さんが体育の時に鼻血を出したのを「ラッキースケベ」と認識するほどの変態だ! しかも、家では八千緑さんをモデルにしたリョナ同人漫画を描いているぞ! その漫画の中で八千緑さんをボコボコの血まみれにして興奮しているぞ! へんたいだ!

そんな元気くんが締切に追われ、新作の同人原稿をあろうことか学校に持っていって作業してしまうことから物語は動き出す! や、やめろーっ! クラスメイトをモデルにした変態漫画を学校に持っていくんじゃなーい!! 見ていられないぜ、ハラハラドキドキだぜ!

案の定、原稿を八千緑さん本人に見られてしまい、さらにはクラスのマドンナにまで目撃されて……うひゃーッ、つらい! 共感性羞恥みたいなのがつらい!! 「俺はいつもお前で変態妄想しているぜ」というのが本人にバレてしまった男子高校生つらい!

いやしかし、リョナラー向けの漫画は数あれど、リョナラー自身を題材にした作品というのは珍しいと思いました。そして、非常に辛い状況で、ヒヤヒヤしながら読む作品ではありますが、それほど読者にストレスを与えないよう、きちんと計算されて作られているのは見事。

設定が設定なので、受け付けられない人には全然ダメだと思いますが、作品自体は主人公のピンチ感がすごくリアルに伝わってくる良作です。高校生の頃にこんなこと周りの女子にバレたらホントつらいよね。頑張ってね、元気くん。

試し読みはコチラ!

『この物語でネコに危害はいっさい加えておりません。』

エッ……羽生生先生が、可愛いネコちゃんの連載を始めた……??

お母さんネコの元を離れた野良猫のナァが、お嫁さんを求めて、他の野良猫と出会ったり、飼い主とはぐれたネコのおもちに出会ったり……なにこれ、ハートウォーミング……。

ですが、おもちと仲良くなった直後に、飼い主のお姉さんが登場。そっかあ。仲間ができたと思ったナァだけど、おもちは、やっぱり飼い主のもとに帰っちゃうんだよね。ナァは寂しい思いをしながらも、飼い主と再会できたおもちを振り返らずに、また旅に戻るんだよね……。

そんなことを思いながらページをめくったらウギャアアア、死んだーッ!!! 飼い主のお姉さんが正体不明の怪物にブチ殺されたぁーッ!!! なんじゃこりゃーッ!!!?
 
……はい、というわけで、『この物語でネコに危害はいっさい加えておりません。』でした。なるほどね、ここまで読めばタイトルの意味が分かります……分かりましたよ……。

『最後の西遊記』

週刊少年ジャンプ本誌で始まった、まさかのオカルト介護アクション! 小学三年生の主人公、龍之介くんは父親から突然に「お前の妹だ」と言われ、両手足義足の目が見えず喋らない女の子(小2)を預けられてしまう! 介護のため、小学校にも行けなくなり、スポーツ少年団で野球をすることすらできなくなってしまう……!

まさかのリアルすぎる介護問題描写……! そうなのだ。身内に要介護者が現れると、その身内のことが決して嫌いではなくても、それはそれとして自分の未来の可能性は大幅に限定され、当然できたはずのアレやコレやができなくなってしまうのだ……。未来の芽が摘まれていくにもかかわらず、誰が悪いわけでもなく、誰を責められるわけでもなく、ただただ、自分の人生が消耗されていく。

その現実を小学三年生から味わわされる主人公……。うおお、つらすぎる。どう考えてもジャンプでウケると思えない題材だ! しかし、介護問題の描写力自体は確かなものがあり、響いた……心に響いたよ。このテーマ、俺のようなアラフォーのおっさんじゃないと響かないんじゃないかと思うけど、とにかく俺には響いたよ。研究会での評価も賛否両論だったけど、本格介護アクション……俺は良いと思うよ! ジャンプで介護を描こうとする気迫を受け取ったよ!

しかも、このヒロインちゃんは、世界を滅ぼしかねない能力を持っているという設定であり、ゆえに龍之介くんは彼女が悪堕ちしないよう、全身全霊で彼女に愛されなければならない運命を背負っているのだ! 全人類の命運を賭けて要介護ヒロインを愛することになった龍之介くんにはもはや恋愛の自由すら許されない!! すごいぞ、この漫画! あまりにも主人公が不憫でビンビンきちゃうぜ!

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『全時空選抜最弱最底辺決定戦』

全時空から神に選ばれた最弱ザコキャラたちがバトルロイヤルして最底辺のザコを決めるという、タイトルからも一発で分かる企画性!

この設定自体は考えつけるものの、その状況で情けない最弱の主人公が、情けないまま事態をどうサバイブしていくのか……となると、なかなか想像するのは難しいものです。「スタートは考えられるけど、転がしにくい」話なんですよね。でも本作は、その点に対して一つのアンサーが与えられています。なるほど、そう来たか~

ところで、いま『終末のワルキューレ』という神代表vs人類代表のバトル漫画が人気なのですが、あちらが最強同士をぶつけあって超最強を決める企画だとすれば、本作はまさにその真反対の企画性ということになります。

「いま売れてる漫画の真反対を考えたら企画として成立するのか?」みたいなことをちょっと思ってしまいました。ワンピースの真反対ってなんだろう? 家から出ずに友達も作らない漫画かな……! これはこれで意外と何とかなりそうな気もしますね!!

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以上、100作品以上の中からピックアップした4作を紹介いたしました。他にも特筆すべき作品は幾つもありましたので、新連載作品に興味を持たれた方は、こちらから色々な作品を読んでみてくださいね。

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