2019.04.19

自信なさげな強すぎ女子 × チャラ系モテすぎ男子の初恋初体験ラブコメ!『ヒロインはじめました。』天倉ふゆ【おすすめ漫画】

『ヒロインはじめました。』

守るより守られたい……そんな男の子と、たくましい女の子の物語。

小さい頃から格闘技ばかり習ってきた周子。高校こそは女の子らしく過ごしたいと思っていたのに、入学早々、その身体能力の高さから、ひっきりなしに部活の勧誘が……。そんな時であったのは、学校一のモテ男・芹沢君。周子の強さを目の当たりにした彼から、望みを叶える代わりに、自分のボディガードになってほしいと言われて!?

本作『ヒロインはじめました。』天倉ふゆ先生にとっては4冊目の単行本になるんですが、どうですこの表紙。このキャラクター。

元々可愛らしい雰囲気の絵柄を描かれる漫画家さんという印象だったのですが、今作ではさらにそこに磨きがかかっております。とにかくキャッチー。何もしていなくても間が持つ。成り立つ。モノローグなんて書いていなくても、表情ひとつで心情が伝わる。そんな感じ。

それに対して、ストーリーに関しては元々ガチャガチャとした展開かつ薄味という、どちらかというとネガティブな印象があったのですが、唐突なストーリー転換は今作も健在。ただし今作に関しては、真意の読めないフリーダムなおちゃらけ系男子をヒーローに据えることで、その急ハンドルも自然に受け入れられる感じに。

また心情についても直接的な描写は相変わらず控えめなんですが、可愛い絵柄で照れたりシリアスな表情をして”雰囲気”を出すだけで、なんとなく深掘った感が出るんですよね。なんていうか本質は変わっていないものの、存分に持ち味を活かすことで弱みをカバーしており、見違えるような仕上がりに。好みはあると思いますが、前作『お嬢さんと呼ばないで』よりも、圧倒的に良いと断言できます。

さて、総論(?)はこんなところでやめておいて、ストーリーやキャラクターについてのお話をしましょう。まずはヒロインの周子「格闘技ばかりやってきた」という設定だけ見ると、実にパワフルで元気な女の子を想像するかと思うんですけれども、実際は表紙にあるような、ちょっと前かがみ俯きがちな困り顔女子。

その身体能力とは裏腹に、自信なさげなふるまいが印象的です。この女の子らしさに欠けているという自意識と、自分の意志をハッキリと示すことができない優柔不断さなど、その運動神経の良さも相まって、山川あいじ先生の名作『Stand Up!』を彷彿とさせます。

まああっちは青春ど真ん中どストレートのシリアス100%の青春ストーリーだったのですが、こちらはコメディ混じりで軽快に展開。その源泉となるのが、相手役の芹沢くん。いわゆる来るもの拒まずなチャラ系のコミュ力高め男子で、ノリが軽い。適度にボケもかましつつ、ヒロインを振り回しながら物語が転がっていくのですが、それがなんとも小気味良い。

「男らしくしなきゃ」みたいな意識も皆無で、だからこそヒロインの強さに見惚れて、「ボディーガードして」なんて言葉が出てくるんですよね。ボディーガードさせるって、少女漫画的には完全にヒーローとヒロインの立場が逆転してるんですけど、そんな関係でいても、タイトルの通りしっかりヒロインさせてるのも不思議で、かつ面白いところ。

これはもしかしたら、もしかするかもしれない、要注目の一作が登場しました。是非ともチェックを。

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いづき

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