2019.06.03
攻×攻!?成長するに従って変化する下剋上ラブ!『両片恋のススメ』阿仁谷ユイジ【おすすめ漫画】
『両片恋のススメ』
お互いに好きなのに、お互いが自分の気持ちは一方通行だと思っている両片思いというシチュエーション、もどかしいですよね! 傍から見たらどう考えても君たち両想いですよ!! って分かるのに、自分たちだけが分かっていないのです。この作品はまさにこのパターンなのですが、それに加えてもうひとつ、重大な萌えポイントがあります。
オビにもでかでかと書かれているのですが、「豹変攻と理屈屋攻の、攻×攻 逆転シーソーゲーム!!」です。
いやBLですからカップルはどっちも当然男なわけですが、役割分担としてのネコとタチ、受と攻が存在します。それが今回は攻×攻ですよ。これはどっちが攻になるのか、丁々発止の本気のマウンティング合戦が繰り広げられるのでは!? と期待が高まります。
わかりやすく受が受らしいBLも大好きですが、どっちも「俺が上になる!!!!」っていう主張、あってもいいと思うんですよね。
しかし読み始めるとちょっと様子が違うことに気がつきます。あれ? 中一から始まってるけどわりと受攻はっきり分かれてるよ?? ってなります。不器用で幼い恋なんですが、どうも攻×攻の気配がありません。脳内に疑問符を飛び散らせたまま読み進めます。
時は流れて高2。分かりやすく受だった少年は立派な体躯へと成長を果たし、攻へとジョブチェンジしていたのです!!!
うん、確かに攻×攻だった! だったけど!!
節子、それ攻×攻やない! 下剋上ラブの方や!!!!
まさかの時間差・攻×攻でした。中一の頃の啓久は幼くて、どこからどう見ても間違いなく受だったのに、大人っぽくて理屈屋だった孝輔といつの間にか立場が逆転していたという……。
思っていたのとは違う系統の攻×攻なお話でしたが、恋のなんたるかもよくわかっていない少年が成長して立派な攻に変貌したのにはとても萌えました。あと、自分が攻のつもりだったのにいつの間にか組み敷かれて、「覚悟はできた?」って聞かれちゃうメガネ受ちゃんも最高に可愛いです。
成長するに従って変化する関係性という萌に大満足でございました。幼馴染とかメガネ受とか下剋上というワードにキュンとする腐女子の皆さん、ごちそうですよー!!
©阿仁谷ユイジ/祥伝社