『性犯罪保安課 No.1ホストを指名』

警察っぽいワードと風俗街系のワードがセットでタイトルになっている作品ですが、私はオビのアオリでこの本の購入を即決しました。

「美青年保護法を施行する」

なにそれ素敵、保護したい！！

国家政策として美青年（受）の保護が行われるようになった世界のお話です。女性が極端に減ったからみんな男に走るようになっちゃったので、犯罪を未然に防ぐために狙われそうな美形には物理的に貞操帯をつけてしまおうという、けっこうかなり乱暴な政策です。

しかし私はこの法律を作った政党にぜひ投票したいし、保護する側になるために警官になることも辞さない覚悟です。

美しい受は税金を投入してでも保護するというその心意気が素晴らしいですね！

ここで、美形ばかりが襲われるわけじゃないとか美形の判断基準はとか野暮な突っ込みをしてはなりません。襲われそうな受はまとめて保護してしまえばいいのです！

とにかく突っ込みどころが満載の世界観です。めっちゃ楽しいです。ミイラ取りがミイラになりまくってます。

保護する側の警官が大事な受を美味しく頂くのはいいんですかとか、潜入捜査と言いながらガチで楽しんでますねとか、潜入捜査してる警官を同業者が把握してなくて、しかも捜査中のその警官を口説いちゃったとか、マジカオスです。それでいいのか公務員！ 仕事とプライベートの境目が曖昧すぎませんか社会人！ 美少年も保護した方がいいんじゃないですか政治家の皆さん！！ いろいろと面白すぎました。

同じ世界観の読み切りが３本収録されているのですが、それぞれ別カップルが成立していって、しかも各話にしっかり肌色シーンも入っており、まさにBLエンターテイメント。

真面目に読んだら人権がとか平等の精神がとかでボコボコにされそうな設定なのですが、そこはそれ、割り切って楽しんだ方が豊かな萌えライフが楽しめると思います。フィクションですから。あくまでフィクションとして楽しむだけですから！

かなりいろんな方面にお話を展開させられそうな設定なので、シリーズになったらいいのになと思っております。本当に妄想がはかどるBLでした。

©伊藤えみ李/ジーウォーク