2019.07.29
バブリー系格差BLと、ファンタジー系異種間恋愛BLがごった煮になった寄せ鍋的作品!『一億の男』ヒノアキミツ【おすすめ漫画】
『一億の男』
表紙に諭吉が舞っております。こんなバブリーな表紙に、タイトルは『一億の男』。
そしてカップリングは、「極貧リーマン × 金持ちストーカー」です。
掛け算の順番、間違えてませんか? ってちょっと焦りました。数学的には掛け算の順番などどうでもいいのですが、算数とBLの世界では順番はとっても大切です。間違えたら大目玉を食らう案件です。でも大丈夫、オビの誤植じゃありませんでした。
偶然、貧乏リーマンに一目ぼれしてストーカー化した金持ち男は、攻様らしい見た目を裏切る立派な襲い受でした。酔っぱらって自分に一億の値をつけてしまった貧乏リーマンを即金でお買い上げ。札束と共にボロアパートに押しかけてそのままの勢いで乗っかってしまいます。情緒とは何なのかを考える暇すらありませんでした。
カオスな展開は続きます。
貧乏リーマンが可愛がっているハムスター。なかなかやんちゃなハム様なのですが、金持ちストーカーの爺やの魔法でなぜか人間になって、魔法を使った反動で若い姿に戻ってしまった爺やに性的に襲いかかります。そこに、爺やが昔アフリカで助けたバッファローが参戦。魔法で人間の姿になってボディガードとして雇われていたバッファローが、嫉妬の炎を燃やしてハムスターと対立します。
書いてて訳がわからなくなってきましたが、読んでいる間も脳がストーリーを処理するのにオーバーヒート寸前でした。
貧乏リーマンが、金持ち男との格差に打ちのめされつつもいい感じに愛をはぐくんでいく横で、魔法使いの爺やはハムスターとの寿命差におののいてハム様への恋心に尻ごみしていたりします。バブリー系格差BLを読んでいたはずが、いつの間にか異種間恋愛も参戦してきておりました。
最後はみんな、いい感じにくっついて大団円です。
読後には。最初に感じていた掛け算の順番など些細な問題だったな……という気分になれます。これは進化なのでしょうか。算数の先には数学がありますが、BLの先には何があるのでしょうか……。
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