2018.02.19
【まとめ】連載のチャンスアップ! プロデビューに繋がるWebマンガ投稿サイト
こんにちは、マンガ新連載研究会の架神恭介です。当会では、マンガ家、マンガ家志望者の会員に向けて様々な情報を収集・共有していますが、今回は「プロデビューに繋がるWebマンガ投稿サイト」のまとめ情報をお届けします。
ネット環境の発達により、マンガ家になる方法は多様化しました。従来の新人賞応募や持ち込みだけでなく、マンガ投稿サイトからのデビューも増えてきており、無視できない選択肢となってきました。
自作のマンガを投稿できるサービス自体はたくさんありますが、今回はその中から、Webマンガ媒体を持っており、さらに投稿システムも備えているサイトをご紹介します。つまり、投稿がそのまま、そのWebマンガ媒体での連載へ繋がる可能性があるということです。
comico
投稿サービス:「チャレンジ」
「comico」のメイン読者層は若く10~20代、性別で言えば女性が多い傾向にあります。公式で人気のあるジャンルは学園モノや恋愛モノなどで、投稿作品でもやはり、それらのジャンルが人気を得やすいようです。また、一話読切の作品よりも何話も続いている作品に人気が集まっています。
「チャレンジ」に作品を投稿していると編集部からスカウトが行われることがある他、各種コンテストからcomico公式作家になるルートがあります。公式作品になると毎月の原稿料が支払われます。
なお、ご存じの通り、comicoの掲載マンガはスマホでの閲覧に特化した、縦スクロール、フルカラーの作品です。投稿作品もこの形式にのっとっている方が有利ですので、comicoでの連載を考えている方は、こちらの形式にチャレンジしてみて下さい。(「初めてでもできる!デジタルマンガの描き方」というレクチャーマンガもあります)
また、comico独自の機能として統計ツールがあり、投稿者は自作の読者層(年齢・性別)をチェックすることができます。
LINEマンガ
投稿サービス:「LINEマンガインディーズ」
「LINEマンガ」の読者層は男女比4:6、メイン年齢層は20~30代です。恋愛要素が含まれる作品が強い傾向にあります。少女マンガや恋愛マンガが人気というだけではなく、少年マンガや青年マンガであっても恋愛要素が含まれる作品に人気が集まりやすいようです。
「LINEマンガインディーズGP(グランプリ)」という賞を開催しており、そこからLINEマンガ連載作品へと繋がる他、人気のある作家には編集部がスカウトし、LINEマンガオリジナル作品として連載することで、書籍化やLINEスタンプ化などに繋がることがあります。
ディズニー社とコラボした「LINEマンガ STAR WARS インディーズアワード2017」なるコンテストを過去に開催しており、大賞受賞作家には公式コミカライズの連載権が与えられるなど、意欲的な企画が催されています。
マンガボックス
投稿サービス:「マンガボックスインディーズ」
「マンガボックス」の読者層は10~20代の男性がメインです。そのため、「マンガボックスインディーズ」でも少年誌、青年誌の方向性や、ギャグマンガ、エッセイマンガなどの作品が人気を得やすいとされています。ただ、インディーズでは『ゆめみるゆびさき』(あやぱん)、『僕が君を変える』(美園)などの少女マンガに人気が集まったこともあり、女性読者の割合も少なくありません。
コメントでの作者と読者とのやり取りなど、コミュニティ要素もあるため、毎日更新するなど更新頻度の高い作品や、コメント応答などをしっかり行っている作品が人気を取りやすいようです。
プロデビューの道としては、「マンガボックス編集部杯」というものがあり、こちらはプロフィールと過去の作画見本だけで応募でき、作家のポテンシャルが見込まれれば担当が付くというものです。マンガボックスインディーズで作品を掲載している必要は必ずしもありませんが、こちらに掲載した作品を作画見本として応募することができます。また、マンガボックス編集部もインディーズの投稿作品には目を通しているようで、投稿作品から直接スカウトされたという話も聞くことがあります。
少年ジャンプ+
投稿サービス:「少年ジャンプルーキー」
投稿作品は、「月間ルーキー賞」「少年ジャンプ+連載グランプリ」、ならびに「矢吹健太朗漫画賞」「うすた京介漫画賞」などに応募可能で、いずれもジャンプ本誌や「少年ジャンプ+」での掲載に繋がる可能性があります。
また、各賞以外でも編集部からの直接の声掛けも行われています。ランキングに関係なく、投稿してすぐの作品であってもジャンプ編集部がチェックし、すぐに声掛けをするという事例もあるそうです。
読者層は中高生がメインですが、大人向けの投稿作品が話題になることもあり、幅広く分布しています。ジャンルに関しても特にこれが有利というものはなく、作品自体のオリジナリティや、その作家だけの強い武器が重視されて声掛けされる傾向にあるようです。
独自の取り組みとしては、「ストーリー」「キャラクター」「演出力」など、その作品の光るところをジャンプ編集部が評価して作品にスタンプを貼り、作家のモチベーションアップに繋げています。
となりのヤングジャンプ
投稿サービス:「あしたのヤングジャンプ」
全ての投稿作品をヤングジャンプ編集部がチェックしており、「となりのヤングジャンプ」にも積極的に掲載していきます。また、となりのヤングジャンプのみならず、ヤングジャンプ本誌や増刊などの紙媒体に掲載される場合もあります。そのスピードも早く、過去に80作家ほどが商業誌デビューを果たしています。
読者層としては男性がやや多めで、年齢層は幅広く分布しながらも、中でも20代が多いサイトです。ジャンプルーキーよりも表現についてのレギュレーションが緩いので、刺激的な題材を載せることも可能。エログロ作品が読者人気を取りやすい傾向にありますが、「となりのヤングジャンプ」自体はキャラクター性を重視する媒体のためか、キャラクター性の強いものや、魅力的なキャラクターを提示できている作品の方が編集者の目に留まりやすいようです。
また、編集部からのお題に応えて読者がマンガを投稿する「お題部門」があります。過去の実績を見ると、ここから連載に繋がっていった作家もかなりいます。お題からインスピレーションが沸いて、思わぬ作品がつくれたという声もあり、トライしてみる価値アリです。
アルファポリス
投稿サービス:「投稿Web漫画」
「アルファポリス」の公式掲載マンガは、原作ありのコミカライズ作品が多いです。オリジナル作品も少しずつ始まっていますが、基本的には、アルファポリスの投稿サービス「投稿Web漫画」に作品を投稿し、読者人気を得てから連載化するルートとなっています。ですので、アルファポリスでオリジナル作品を始めたい場合は、アルファポリスサイト内の投稿サービスを使うことになります。
ここにマンガ作品を投稿した場合、読者の閲覧数などによりポイントが付与され、1500点を超えると出版申請をすることができます。申請をすると、編集部の検討の後に出版される可能性があります。また、稼いだポイントを元にスコアが与えられ、そのスコアをAmazonギフト券などに交換することも可能です。
公式掲載作品にファンタジーが多いため、投稿作品にもファンタジー作品が増え、このジャンルは過当競争気味です。また、サイトの読者年齢層が高めなため、少年誌寄りの作品よりは青年誌寄りの作品の方がポイントを取りやすい傾向にあります。女性向けレーベルもあるため、女性向け作品の投稿も狙い目です。
週刊少年マガジン
投稿サービス:「マガジンデビュー」
「週刊少年マガジン」編集部による、先日公開されたばかりの新しいマンガ投稿サイトです。まだ始まったばかりなので、読者層や人気が出る作品傾向などは明らかではありませんが、「作者と編集者の距離が一番近いマンガ投稿サイト」を謳っており、「すべての作品に編集部がコメント」「複数の担当希望がついたら逆指名可能」など、編集部側のかなりの熱量を感じます。
こっそり情報解禁。
一度に6誌100人に持ち込みできる投稿サイトだよ。
明日のコミティアでもビラ配ります。#COMITIA #漫画家志望さんと繋がりたい #漫画好きと繋がりたい
#投稿 #持ち込み pic.twitter.com/gd8I9LrU22— ヤングマガジンのスズキ (@ym_suzuki) 2018年2月10日
また、3月16日からは同じく講談社の青年誌+女性誌系列でも同様の投稿サービスが開始予定です。
まとめ
投稿先を選ぶ時に意識すべきことがあります。それぞれのWebマンガ媒体にはそれぞれの客層(年齢層・好きなジャンル・男性向けor女性向け)が付いているということです。「どこに投稿しても同じ」というわけではありません。それぞれの媒体が持つ客層を意識することで、あなたの作品はより多くの読者を獲得し、より高い評価を得ることができるでしょう。本記事の情報を参考にして、あなたの作品にもっとも合った投稿先を探してみて下さい。
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