コミスペ!

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2018.02.20

【まとめ】ライブを観ているかのような臨場感!「音が聴こえるような」マンガ

世の中には沢山の音楽マンガがあります。様々な雑誌で色んなタイプの作品が連載されていて、大人気のジャンルの様に見えますが…昔とある雑誌の編集者さんに聞いたところによると、音楽マンガを作ることは基本的には鬼門扱いされているそうです。それはなぜか? どんなにすごい絵やストーリーを描いても作中の音楽は読者には聴こえないからです。
この前提の元に、タイトルをもう一度読んでください。「聴こえるような」とありますね? この記事では、実際には音は聴こえないけど、あたかも聴こえてくるような気持ちになれるマンガ・読んだ後に思わず作中に出てきた音楽を実際に聴きたくなってしまうような力を持つマンガを紹介したいと思います!当たり前のことをクドクドとすみませんでしたぁ!

王道の青春×和楽器の箏!『この音とまれ!』

高校2年生の倉田武蔵(くらた・たけぞう)は時瀬高校の箏曲部部長。先輩達の卒業によって唯一の部員になってしまった武蔵は、箏曲部を廃部にしないために奔走するが、入部希望に来たのは見るからに不良の久遠愛(くどお・ちか)のみ。馬鹿にされていると思って愛の入部を断る武蔵だが、やがて愛の持つ想いに気づいて愛の入部を認めることに。愛の入部を皮切りに箏の天才・鳳月さとわや、愛の友人の足立実康・堺通孝・水原光太たちが次々と入部。すれ違いもありながらも力を合わせて全国大会を目指していく。

まさに青春マンガの王道といったあらすじでしょう? 中身も王道的で、読めば必ずや心の琴線にふれることかと思います。中心となる作中の登場人物達は、人間関係に問題を抱えている子が多いのですが、不器用だったり素直になれずに自分の心の内をうまく表現することが出来ないでいます。

そんな彼等が不器用な心を表現するためにかき鳴らすのが「箏」。作中で、箏は龍をモチーフに作られた楽器で、龍は天と地、あの世とこの世、結ばれない二つのものをつなぐ存在であると語られます。弾く人と聴く人の心をつなぐ願いを込められた演奏は、作中の人物達と読者をも繋げてくれます。演奏面ばかりに話がいきましたが、少女マンガのように繊細な表現で描かれる青春まっさかりな高校生活も、疲れた心を癒してくれますよ。

実際に聴きたくなったら聴けちゃう

筆者は結構こってり音楽をしていた人間なのですが、流石に箏には疎く、作中に描かれる想いには共感でき感動もしたものの、実際にどんな曲を演奏しているかと言われると抽象的な想像しか出来ませんでした。
そのため箏とはどんなもんなのかと、似た楽曲を読後に検索してみたら……作中のオリジナル楽曲が公式で公開されているではありませんか! 聴いてみたら予想以上に大迫力。作中の感動が心の中に蘇り、それ以降は曲を聴けばマンガが、マンガを読めば曲が思い浮かぶという素敵脳内構造に。いやー音楽とマンガって素晴らしい。皆さんも是非読んで、聴いてみてください。

この音とまれ! 作中オリジナル楽曲「龍星群」

試し読みはコチラ!

ジャズにかける熱いハート!『BLUE GIANT』

友人に連れられ初めて目にしたジャズライブに、心打たれた少年・宮本大。それ以来、3年間川原で世界一のジャズプレーヤーになるため、サックスを独り吹き続けている。完全我流で楽譜も読めず我武者羅に吹き続けるだけだった大だが、様々な出会いによりジャズへの道を進みだす。

熱すぎるジャズマンガ、『BLUE GIANT』(石塚真一/小学館)! 既に色々な所で話題ですが、この面白さは本物なので是非伝えさせて下さい。このマンガで語るべきところは、やはりまずは主人公・宮本大のキャラクターの魅力だと思います。河原で3年間、一人でサックスを吹き続けていたという情熱もそうですが、彼はとにかくまっすぐで素直で平たく言うとバカな所があります。
しかし、決して頭を使っていないわけでは無くちゃんと自分なりに考えているし、何よりどんな時も折れない心の持ち主。そんな彼が主人公なので、読者としては大がどんな壁にぶち当たっても、ストレスなく大の気持ちに合わせて読み進めることが出来ます。そして、彼の語るジャズは圧倒的に言葉足らずながらも、どっしりと胸に響いてくるのです。

ライブシーンの描写

ジャズジャズと言ってきましたが、そもそもジャズとはどんな音楽なのか、ぼんやりとしか知らない方も多いかもしれません。 BLUE GIANTはそんな方にこそお勧めしたい作品です。
作中でもジャズが現在いかにマイノリティな音楽であるかが語られ、ライブシーンでは主に大衆にどこまで響くのかが描かれています。卓越したライブシーンの描写でジャズを訴えかけ、観客達はその音によってジャズを知り感化されていきます。演奏に合わせた表情の変化や体の動き、それはまるで本当にライブを観ているかのような臨場感で、「音が聴こえてくるようなマンガ」という言葉にぴったりな作品です。

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高校生のバンドっていいよね。『ハレルヤオーバードライブ!』

中学の卒業式で好きな子に曲を送って見事にフラれた少年・朝桜小雨は、高校入学後自分をふった子を見返すために軽音部に入部しようとする。しかし、入学した高校には軽音部が無く、代わりにあったのは「金属理化学研究部」という怪しげな部活で…。

公式によるとボーイ・ミーツ・ガールなハイスクールバンドラブストーリー!!とのことですが、まさしくその通り。主人公の小雨は怪しげな部活「金属理化学研究部」(正体は実質軽音部)に入り、一癖ある部員達やヒロインのハルとドタバタしながら様々な問題に立ち向かい、バンドは成長していきます。それと同時にちっさくて可愛いハルに物語開始早々恋をした、小雨の恋の行方も展開されていき、あぁ青春ってこうだよなぁとまっすぐな青春マンガとしても楽しむことが出来ます。

工夫されたライブシーン

BLUE GIANTもそうでしたが、音楽マンガには表現の仕方は様々であれ卓越したライブ表現が不可欠です。なぜならマンガを読んでいるだけでは音楽が聴こえないから。その点を『ハレルヤオーバードライブ!』(高田康太郎/小学館)は臨場感と迫力のある線の書き方と構図、その上にキャラクターの背後に登場する動物のイメージで上手に表現しています。動物の種類や表情によって、どんな演奏をしているのかが言葉にしないでもわかりやすく伝わってくるし、同時に動物がそのキャラクター自体のイメージとも合致して、キャラ強化にもなっているという匠の技です。是非一読を。

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可能性に満ちた音楽マンガたち。

プレスリリースより(田口囁一/LINE)

冒頭で音楽マンガは音が聴こえないと書きましたが、技術の進歩で一概とそうとは言えなくなってきました。『この音とまれ!』の動画や、スマートフォンで読むタイプのマンガは読みながら音を出すことが可能になっています。

そのわかりやすい例として、筆者が過去に一緒に作品を作っていた田口囁一というマンガ家さんが、現在『シアロア』というマンガを「LINEマンガ」で連載しています。こちらの作品は読みながらオリジナル楽曲を聴くことが出来ます。よかったら是非読んでみてください。マンガ家でありながら曲も作っちゃうなんてすごいや!

試し読みはコチラ!

最後に身内推しが入りましたが、音楽マンガの世界はこれからどんどん発展していく可能性がある、目の離せないジャンルだと思います。皆さんも是非お気に入りの作品を見つけて、楽しい音楽&マンガライフをお過ごしください。

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