2020.07.27

「亡き兄の親友×親友の遺した弟」のカップリングでおくる、終始しっとりした雰囲気の切ない系BL!『なかないひばり』ミナヅキアキラ【おすすめ漫画】

ミナヅキアキラ先生はデビュー作からずっと追いかけているBL漫画家さんです。

切ない系から甘々まで多彩な作風で腐女子のハートを鷲掴みにしてくれますが、特に切ない系の『この夜のすべて』はかなりグッとくる作品なので未読の方はぜひ読んでみてくださいね!

今回の作品は切ない系で、終始しっとりした雰囲気のBLです。

両親のいない施設育ちの兄弟と、兄の親友。メインの登場人物はこのたった3人です。たった3人のうちの兄は冒頭から交通事故で亡くなっています。つまり本当に、カップルになる2人に焦点を当てた作品なのです。

「亡き兄の親友×親友の遺した弟」という、残された者同士がくっつくパターンです。

仕事仲間でもあった親友の事故の原因を作ったことに責任を感じた清澄は、親友の弟であるひばりを引き取って親代わりとして一緒に暮らすことにします。家族として支えて、一人前にして社会に送り出すことが自分の役目だと考えている清澄ですが、なかなか一筋縄ではいきません。

兄の親友に引き取られたひばりは、清澄のことが家族としてではなく、恋愛の対象として好きになってしまいます。そしてそのことに、清澄も気づいているのです。清澄が眠っていると思ってそっと唇を掠めるキスをするひばりを、眠ったままやり過ごす……。ずっと気付かない振りをするつもりが、いつの間にか自分もひばりのことが好きになっているんですよね。

2人とも、兄の死に何らかの責任を感じており、どちらも「兄の大切な」相手の恋人になることに及び腰になっています。ですから、お互いの気持ちをお互いが知った後も、すんなり両思いになってハッピーエンドにはなりません。彼らは、トラウマになっている兄の死を乗り越えないと相手の手を取れないのです。

最終的にはハラハラするハプニングのあと、しっかり両思いになって恋人になるのですが、そこに至るまでの葛藤や躊躇い、苛立ちやもどかしさがこれでもかというくらいしっかり描きこまれていてかなり読み応えのあるBLになっています。

肌色シーンも、やや控えめながらラストにしっかりありますので、そちらの満足度もなかなかではないでしょうか。

切ないBL好きの方にはぜひともお勧めしたい作品です。

この記事を書いた人

アキミ

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