2020.09.16

少年の揺るがぬ目線の先にあるのは、見せびらかしが好きな少女の腋『見せたがりの露乃ちゃん』降本孟【おすすめ漫画】

『見せたがりの露乃ちゃん』

少年の揺るがぬ目線の先にあるのは、見せびらかしが好きな少女の腋

性はあってもラブはないので、ラブコメディ、ではないと思う。フェティシズムのスパイラルでただれていってしまう、小学生男子と高校生少女の視姦・露出シチュエーションコメディ

ノリはポジティブで明るいし、別に犯罪行為も行われていないが、よくこれを連載できたなというレベルにエロティック。

女子高生の露乃は、人の視線を集めるのが好きなギャル。露出狂というほどではないが、意図的に無防備に振る舞って隙を作ることで、周囲の目が自分に向くのが楽しくてしかたない。

ある日、露乃の姿を執拗に狙い見る小学生の少年に気づく。頬を赤らめ真剣に見入るその視線は、明らかに性的なもの。彼が一心不乱に視線を向けるのは、露乃の腋だ。

他の男子がお尻や胸に注目するのに対し、腋以外を見ようとしない少年に興味を持った露乃は、電車の中彼の前でつり革を掴みながら、意図的に袖の中身を見せる。

「なるほど…こーゆーのもあるんだ?」と、彼女は見せる側のフェティシズムの扉を新たに1つ開いた。

露乃が少年に付けたあだ名が「スナイパー君(本名はノゾミ)」。小学生だから周囲の人はほとんど彼のことを気にせず完全に潜んでいるが、彼は周囲の女性の腋に向けて、レーザーサイトスコープのごとく正確に視線を向けている。隠しきれてはいないので、子供とはいえたまにバレると、やはり嫌悪の目は向けられる結構危ういな行為。大人なら一発アウトかも。

どの女性の腋でも興味を持つ「腋フェチ」な彼。しかし特に露乃の腋に執着しているのは興味深いところ。

露乃が意図的に「見せる」ことが好きで、スナイパー君の視線が自分の腋に向くことを楽しんでいるからで、ここで需要と供給がマッチしている。

「見せてくれるから」「見てくれるから」という単純な関係ではない。これは露乃が主導権を握っている焦らしプレイでもある。露乃はスナイパー君の欲望を聞いて応える行動は一切しない。

見えるようにチラチラさせたり、思わせぶりな言動をにとどめている。スナイパー君も「見せて下さい」とは絶対言わない。露乃のバイト先のメイド喫茶で、彼は少しでも腋が見たいからとお金を払って、露乃とジェンガゲームをやる。この遠回りさがより、彼のおさえきれないフェティシズム描写を加速させる。

現時点では思春期の性の目覚めの範疇で収まっているので、彼が露乃の腋の写真で自慰行為をするシーンも清々しい。ただ2人が知人としての距離感に変化していくことで、お互いのフェティシズムがどう変化していくかはかなりの見どころ。

このまま距離を保ったまま双方のフェチを満たすのか、あるいは恋愛的要素に発展していくのか。言葉を交わすこと無くフェチで通じ合う特異な関係は、背徳感溢れていて魅力的なのでうまく距離を保ってほしいものだが、いかんせん相手は小学生だ。

途中からスナイパー君の真面目な姉も登場。元々素質があったのか露乃に出会ってから「見せる」感覚に開花していく様子がこれまた非常にエロティック。

ここまで書いてきてなんだが、本当に露出度は低いマンガなのは改めて書いておきたい。なのに腋描写のこだわりが尋常じゃないからこそ、全編が艶めかしい。

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たまごまご

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