2020.11.28

国際宇宙ステーションで、世界各国から集った子供たちが暮らすさまを描く「スペース日常マンガ」!『メテオノーツ』都尾琉【おすすめ漫画】

『メテオノーツ』

例えば、○○荘と名前がつくような寮やアパートなど集合住宅で、幾人ものキャラクターたちが日々の生活を共にする作品が数多ある。

そういう物語では、どんな登場人物を造形するかと同じくらい、彼ら彼女らが暮らす家・部屋をどのように設定するかが作品全体の個性を決するといってもいい。

さて、そこで「それを舞台にしてきたか!」と目を惹くのがこちら、「サイコミ」で配信中の『メテオノーツ』。

地球から約400km上空に浮かぶ国際宇宙ステーションで、世界各国から集った子供たちが暮らすさまを描く“スペース日常マンガ”である。

大人が宇宙ステーションに入っておこなう実験がすべて済み、次は子供の心身にどんな影響が出るのか調べる必要が出てきた、そんな時代。

行方不明となった宇宙飛行士の父親を見つけたい主人公チアキは、まだ小さな自分が宇宙へ行くただひとつの手段として、子供宇宙飛行士ことメテオノーツになった。

チアキが送られたのは実験宇宙ステーション「ISS-EVE」。彼女の役目は、数か月にわたってステーションにこもる長期滞在。船長(コマンダー)で溌剌と明るい少女アイリーン・シェパードをはじめ、同じメテオノーツ仲間たちと共に宇宙で生きること、それ自体が実験であり任務なのだ。

「ISS船長よりチアキ・アキヤマへ あなたを新たな家族として歓迎します」

宇宙ステーションという“家”で、世界が注目する少女たちの共同生活がいま幕開ける!

宇宙飛行士のミッションには、一般人からみると非日常的なイベント性の強さがある。それを織り込みながら、公式の紹介にいう「女の子たちが繰り広げるゆるふわな日常」の光景でもあるという絶妙なバランス。そこが本作の楽しみどころだ。

序盤、宇宙船がステーションとドッキングするまでに押し寄せるトラブルを乗り越えるくだりを皮切りに、ステーション生活が始まってからもさまざまな設備や装置がきわめて緻密に描き込まれており、それらに高い技術で対応するのがあどけなくも凛々しい女児たちであるギャップの鮮やかさ。

この感覚を食べ物に例えれば、そう、アイスの天ぷらのような……といえようか。「これ、よく成り立たせたなぁ!? しかもちゃんと旨いし」みたいな刺激がある。注目の一作だ。

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miyamo

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