2020.12.07

片思いを続けて2年の郵便配達員×身体に花が咲く奇病に罹った青年。気持ちの変化や揺らぎが丁寧に描きこまれた、幻想的な良作BL!『茅花かす陽』ミギノヤギ【おすすめ漫画】

『茅花かす陽』

薫-くゆる-』でデビューを果たしたミギノヤギ先生の2冊目のコミックスです。相変わらず幻想的で美しい表紙。ジャケ買いした方も多いのではないでしょうか。

タイトルの読みは「つばなかすはる」です。今回は設定も幻想的で、身体から花が生えてくるという珍しい病気にかかった青年が受になります。

カップリングは、「片思いを続けて2年の郵便配達員×身体に花が咲く奇病に罹った青年」となっております。

月に数回、道端で花を売る青年・に片思いをしている千陽は、思いを告げることができずに花を買い続けています。おかげで、片思いしている本人に、「想い人に贈る花を毎回買いに来る」認定されてしまっています。

そんな状況ですが、そろそろ気持ちを伝えたいと思っていた千陽は、茅の家に配達に行ったとき、偶然が重なって茅の秘密を知ることになります。身体から花が生え、花に命を蝕まれていく奇病「ヒバナ病」。茅は、自分から生えてくる花を売っていたのです。

この奇病を改善するのが、他者の体液を粘膜から吸収すること……。一気に設定がBL味を帯びてきます。

茅に治療行為として肌を合わせることをお願いされる千陽。もともと好いた相手からの命のかかったおねだりに逆らえるはずなどありません。これは医療行為と自分に言い聞かせながら、気持ちを伝える前に身体の関係を持つことになります。

体液を吸収することによって目に見えて症状が改善されるので、定期的なボランティアをすることになる千陽ですが、なかなかに複雑な思いを抱える羽目になってしまいます。

しっとりした雰囲気の作品で悲恋の可能性もあるのでは……という気配もするのですが、最終的にはハプニングがあって乗り越えて両思いになり、ハッピーエンドですのでそこはご安心ください。ヒバナ病の秘密も、作中でちゃんと解き明かされます。

幻想的な雰囲気の中、2人の気持ちの変化や揺らぎが丁寧に描きこまれていて、気持ちよく萌えながら満足感とともに読了できる良作BLとなっております。気になった方はぜひぜひ、手に取ってみてくださいね。

この記事を書いた人

アキミ

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