2021.01.15
キスをきっかけに、猫⇔人間の姿がスイッチする「猫化体質」のクラスメイトとのドキドキ同居生活!『猫とキス』千里みこ【おすすめ漫画】
『猫とキス』
千里みこ先生による『猫とキス』の第1巻が発売されました。まずはあらすじ紹介から。
猫が大好きな女子高生・えりな。ある日、庭に迷い込んだノラ猫を保護したところ、その猫のあまりの可愛さに思わずキス。すると、目の前にハダカのイケメンが現れた!!
キスすると猫になる
はい、というわけで、こんなお話です。いや、全然わからん。猫にキスをしたら裸のイケメンが現れるってどういうことやねんって話ですが、キスをきっかけに、猫⇔人間の姿がスイッチする「猫化体質」の持ち主にキスをしてしまったというもの。
しかもそのイケメン、見たことあると思ったら、性格の悪いクラスメイト・猫山くんでどびっくり。さらには、「猫化することを知られてしまった以上、監視をしないといけないから。今日からお前の猫になる。」と、突然の飼い猫化宣言。えりなの家で一緒に生活をはじめることになります。
のっけから怒涛の展開に驚かされるばかり。なんなら、出オチ感もあるのですが、読んでいくと、これが意外とよくできているんですよ。キスで中身が入れ替わったり、色々起こるという設定はちょこちょこと目にしますが、本作の場合、キスをする相手は一人ながら、猫フォルムのときと人間フォルムのときがあり、キスをするハードルが全然違うというのがミソ。
まあそんな頻繁にキスする必要なんてないんですが、こういう作品ですから不思議とキスする展開が訪れるわけです。その際の、猫のときと、人間の時とのドキドキ感のギャップというのが物語に良いアクセントを加えているんですよね。
キスをする相手
一つ残念というか、もう少しやりようがあったのではと思うのが、キスをする相手はえりなである必要はなく、生きものであれば誰でも良いという点。
なので、猫の姿に戻らなくちゃいけないときに、えりなが拒否をすればキスしなくても良いっていう。これが「えりなじゃなきゃダメ」って設定だったらば、もっとこう逃れられないドキドキ感があったのではとも思うのですが、ここは何か狙いがあってのことなのかもしれません。キスを序盤から頻発させても、奥ゆかしさとかないですからね。
別フレとしては珍しいファンタジー要素のある作品ですが、軽快なテンポ、速い展開、そして何よりちゃんとラブコメしていて、違和感なく読み進めることができます。強烈な一つの設定で一本足打法という、その潔さも印象良し。
物語はいかようにも転がせそうで、今後の展開も期待できそうです。
©千里みこ/講談社