2021.01.19

フォーマットはハーレム系ラブコメ、中身は少年漫画の王道!男女比率1対359の学校に入学した少年が繰り広げる、学園ラブコメ!『ヤンキーJKクズハナちゃん』宗我部としのり【おすすめ漫画】

『ヤンキーJKクズハナちゃん』

昔の萌え系コンテンツではニッチ属性だった「ギャル」。ところが今や、オタクに優しいギャルが大人気です。

ギャルごはん』『やんちゃギャルの安城さん』『はじめてのギャル』『その着せ替え人形は恋をする』などなど、ギャルがヒロインのラブコメ漫画も百花繚乱。

そして令和3年になった今、ひとつ予言します。次にくる属性は……ヤンキー女子だっ!

現在、熱心にヤンキー女子をプッシュしている漫画雑誌があります。そう、「週刊少年チャンピオン」。『六道の悪女たち』も絶好調の週チャンに、新たなヤンキー女子マンガが投入されました。その名も『ヤンキーJKクズハナちゃん』です!

主人公の早乙女穂高が入学した「県立茂手城高校」は男女比率1対359!! ほとんど女子校みたいな学校に、男子が一人だけ入学することに。

羨ましいハーレムだと思うでしょ? いやいや、逆なんです。圧倒的JKのパワーにタジタジの穂高くん。着替えもトイレも不自由ばかり。好奇な目で見られたり、いじられたり……ツラい立場に立たされています。

しかも、清楚系ビッチの鷹江花澄から、カツアゲまがいの恐喝に遭っちゃう。心折れかけたその時……九頭竜華子がピンチを救う!

「くずりゅう はなこ」=「クズハナ」のあだ名を持つヤンキーガールとの出会いをきっかけに、穂高は様々な女子高生たちと関わっていくこと……目指せ、脱ぼっち高校生活!


皆さんはラブコメ作品について、どういう楽しみ方をしているんでしょうか。筆者には、ラブコメとは「主人公がヒロインに恋するんじゃない。読者がヒロインに恋をする」という信念があります。

もうね、九頭竜華子の本気を出した時のカッコよさと、照れて赤面した時の可愛らしさ。二段構えのギャップが強烈です。

穂高に対して「テメー」呼ばわりする蓮っ葉な言動だけど、性格は清純。パンツを見られたり、肌を晒したり、触れたりするたびにドキドキして恥ずかしがる。その落差を、絵とセリフの両方で魅せている。

『ヤンキーJKクズハナちゃん』に出てくる女子は、柔らかいモチモチした質感の筆致が特徴です。鎖骨や胸の谷間をトーンだったり、太ももの膝までの曲線だったり。健康的な10代女子のお色気が伝わってくる描き方にグッときます。

しかも、天然系の牛込優菜と九頭竜華子では同じ巨乳でも、武道経験者の華子の方が、体のラインが筋肉が引き締まっていることが見て取れる。この描き分けひとつとっても、宗我部としのり先生の美学を感じます。

次々に登場するヒロインたちも魅力的。清楚ビッチ、天然、ボーイッシュ、幼馴染……みんな秘密や裏を抱えていて、穂高にとっては手強い相手。でも補高の良いところを知って、次々に穂高を好きになっていく。手強いボスキャラが仲間になると弱体化する。まるでスパロボ的なチョロインっぷりも、ストレスなく読めて楽しい。


でもそこで疑問を抱く人も多い。はたして早乙女穂高は、モテるに足る人物なのだろうか。いろんなラブコメ作品の感想で、「なんでこんな男がモテるんだよ」って意見を、ちらほら見かけることがあったりします。

『ヤンキーJKクズハナちゃん』の穂高は、身体も気も小さいし、腕力もない。優しいだけが取り柄……に思われがち。

しかし、1巻ではピンチの優菜を救い出す。2巻でも、相手への思いやりを考えてトラブルを表沙汰にしない。女の子を救う、古き良きチャンピオン魂がここにある!

事件に巻き込まれるたびに、周囲の信頼を勝ち取っていく穂高くん。「他人のために行動できる男の子」これ、重要です。ラブコメの主人公はこうでなくっちゃ!

そんな補高に惚れていく女の子たち。一方の穂高も、最初はカツアゲされて印象最悪だった鷹江花澄の良いところを見つけて、図書室できちんと仲直りする。

2巻の合宿編では、陸上選手の虎寺碧との誤解が溶けるエピソードがある。お互いにわかり合う。理解し合うことの大切さをきっちり描いている点も非常に好ましい。

フォーマットはハーレム系ラブコメ、中身は少年漫画の王道だと感じます。主人公とクズハナたちヒロインが、お互いを知って、理解して、絆を深めていく。その善性が心に刺さるのである。

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かーずSP

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