2021.03.02

「推理が苦手」な探偵見習いのヒロインと、個性的な男子4人がひとつ屋根の下で織りなすラブコメディ!『名探偵 耕子は憂鬱』鈴木ジュリエッタ【おすすめ漫画】

『名探偵 耕子は憂鬱』

神様はじめました』の鈴木ジュリエッタ先生の新連載『名探偵 耕子は憂鬱』の第1巻が発売されました。
こんな感じのストーリーです。

昭和中期、日本。探偵見習いの少女・耕子は、東京の下宿・春秋館に暮らす名家の子息・犬上くんへの殺人予告事件を捜査してほしい、という依頼を受けることに。下宿人のお世話をする「賄い人」として春秋館に潜入捜査することになった耕子ですが、4人の下宿人は、とんでもないくせ者ぞろいで……!? 料理は苦手、推理も苦手な耕子は、果たして事件を解決できるのでしょうか?

ミステリーと思う勿れ

タイトルといい、ストーリーといい、ミステリーものだと思うじゃないですか。全然ミステリーしないんですよ、これが。

あらすじ紹介にもある通り、主人公の耕子「推理が苦手」ということで、探偵としての才は無し。事件が起きても名推理で解決なんてできないんですな。というか、事件もいわゆるミステリーもので扱われるような凶悪事件や難事件的なものは起きないという。

物語背景ですが、質の悪い探偵が乱立したことで、国が「難事件を3つ解決したら正式に探偵として認める」というお触れが出たという設定。

ヒロインの耕子は幼い頃から探偵を志しており、探偵として正式に認められるべく、殺害予告事件の捜査のために下宿に潜入。結局この事件は早々に解決するのですが、紆余曲折ありそのまま賄い人としてのお仕事は継続することに。年頃の女子が、個性的な男子4人とひとつ屋根の下に暮らすわけですから、何も起きないわけがなく……というわけで、つまるところ同居ものラブコメでございます。

そこにちょっとしたトラブルが起きることで、探偵として「事件センサー」が敏感になっている耕子がそれを「事件」として扱うことで物語が大げさに転がっていくというストーリー。要するにミステリーやサスペンスとは対局の、超ハートフルで癒やされる系

タイトルの「名探偵耕子の憂鬱」は、耕子自身の視点ではそうなのかもしれないのですが、読み手からすると「名探偵」でもないし、読んだ感じ「憂鬱」とは無縁の癒やされ具合。正直なところ、私は最初「ミステリー」という構えで入ったので、肩透かしを食らった感があるのですが、最初から「ラブコメ」として読めばすんなり物語を享受できそうです。

鈴木ジュリエッタ作品としては異色のヒーロー

同居相手の4人ですが、事の発端の犬上くんはちょっと病的な雰囲気もまとう美少年で優しいお坊ちゃま。変わった名前の病院下は、わかりやすいチャラ男系。八墓は超絶ひねくれ野郎で、極門は野球部とか柔道部とかそんな感じの暑苦しい男子。4者4様といった様子で、なかなかの個性派揃いです。

その中のひとり・犬上くんが本命のヒーローになるのですが、結構早々に恋心があらわに。一方の耕子もまんざらでない様子で、恋の行方もそう難事件にはならなそうな予感。

『神様はじめました』も前作『忍恋』もそうでしたが、厄介な相手役というイメージのある鈴木ジュリエッタ作品において、どちらかというと対局にあるチョロかわ系男子ということで、このキャラクターが今後どんな魅力を放っていくことになるのか。

鈴木ジュリエッタ作品で描かれる恋愛模様って、相手を思う気持ちが強ければ強いほど、そしてそれが外に漏れやすければ漏れやすいほど魅力的になる印象があるので、非常に楽しみですね。

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いづき

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