2021.05.27

お嬢様と執事の愛情たっぷり赤面いっぱいな「わからせ」が心地いい、キュートなコメディ!『マリー様をわからせたい!』にょろぽら太【おすすめ漫画】

『マリー様をわからせたい!』

お嬢様と執事の愛情たっぷり赤面いっぱいな「わからせ」が心地いい

「わからせ」という言葉は、ちょっとアレなスラングとしてすっかりネットカルチャーに定着している。大人を馬鹿にする少女を屈服させる、という意味の創作に対する単語で、どちらかというと性的な側面で使われることが多いのであまり表で言うものではない。

でも生意気少女はキャラクターとして確かに魅力的ではある。そこで「気にはなるけどどぎついのはちょっと…」という人に『マリー様をわからせたい!』という作品を紹介したい。

きつい性格の少女と振り回されると年上男子が、比較的対等の戦いを繰り広げるのだが、うっすら双方惹かれ合っているので読後の後味が抜群によい。「わからせ」の意味も年上男子が無理やり少女をねじ伏せるのではなく、元来の意味である「少女に自分自身の行動を理解してもらう」くらいのものなので、失敗して赤面オチ、でまとまっていてかわいらしい。

マリー・ルナールは13歳のお嬢様。執事である19歳の男子ソルベ・ホソカワを常に小馬鹿にして見下し、人生を舐めている。彼女はソルベにくっついて回っては、「ザーコザーコ」といつも煽り立てる。ちょっとだけやりすぎないたずらを仕掛けては彼を嘲り笑う。

ソルベは彼女のいたずらに腹を立てつつも、執事であるがゆえに怒り散らすことはなく、できるだけ大人な対応で彼女の行き過ぎた行動を教育しようと奮闘。マリーの煽りは割とスキが大きいのでソルベがあっさり覆す。マリーは自身の失敗に気づいて、大赤面で涙うるうる。

ある日、マリーは食べていたフランクフルトをやけになって地面に投げ捨てた。ころんだソルベの頭にその串が刺さってしまい、流血。マリーはこれには大慌てでボロボロと泣き叫ぶ。

「イヤよソルベ…! 私を一人にしないで!」

彼女がソルベを大好きなのが、ダダ漏れになる(ちなみにソルベは普通に生きている)。

ソルベとの幼い張り合いで赤面の連続のマリーだ。彼女とソルベの間にはお嬢様と執事であるという関係を越えた信頼のつながりがある。ソルベはマリーに対してキレそうになることもあるが、大切にしてあげたい仕え続けたいという強い忠誠心もある。

「申し訳ありませんが私はマリー様以外の執事になる気はございませんので」

お互いが独特な愛情でつながりあっているからこそ、マリーのいじりも、ソルベの「わからせ」も見ていて非常に微笑ましい。どんなにむちゃなことをやっても、その裏には「大切にしたい」という信頼関係があるのがわかっているから、安心して読める。

生意気少女ものは好きだけどかわいそうなのはちょっとな、という方には非常におすすめ。愛のある「わからせ」は幸福なコミュニケーションだ。

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たまごまご

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