2021.12.23

生贄に差し出された貴族の青年に九尾狐が落ちていく、中華風の異種間恋愛。パワフルな肌色率の、おとぎ話めいたとっても楽しいBL!『九尾狐の花嫁』占地【おすすめ漫画】

『九尾狐の花嫁』

中華風の異種間恋愛BLです。
初めに宣言しておきますが、なかなかの肌色率です。
帯のアオリが「愛を知らない絶倫九尾狐に 朝も、昼も、夜も」って書かれるくらいまあしっかりやってます。

カップリングは、「九尾の狐×生贄に差し出された貴族の青年」となっております。

史家の巫女を50年に一度、花嫁として九尾狐に差し出すことで他も人間に手出しをしないという契約になっており、その生贄として差し出されたのが史家の長男・羅仙でした。跡取りとして育てられていた羅仙ですが、庶民出身の第二夫人の子として生まれ、その母も夭逝しており後ろ盾がなく、父親に可愛がられるのを嫉妬した弟と第一婦人による陰湿ないじめに耐えかねて跡取りから外されるようにわざと怠け者を装っていたら、なんと九尾狐の花嫁にされてしまったのです。

花嫁というからには閨事だろうと踏んでいた羅仙ですが、そういうことは未経験……だというのに九尾狐のあまりの妖艶な美しさと放たれる妖力で(?)理性と関係なく欲情してしまい、あれよあれよといううちにめくるめく快感の渦に飲み込まれていきます。しかも、狐さんの相手は大変だけど、まあ夜の相手なら、それなりに大変だけどなんとかなるか――と思った矢先、「そろそろ食うか」と言われてしまいます。

あれ、物理的にも美味しく頂かれてしまう方向ですか、マジで!?
ということで全力の命乞いと時間稼ぎに走る羅仙。そしてなんだかんだで言いくるめられる九尾狐。

死ぬまでにやりたいことをやり遂げたいので5日くださいということで、九尾狐の気が済むまで相手をする条件に5日寿命が延びたわけですが、やりたいことを探すのにちゃっかり九尾狐を使ってしまいます。

訪れたことのなかった皇帝の宮城や海に連れて行ってもらい、出先でいちゃいちゃし、読み手からは「ただの新婚旅行では……?」と突っ込まれそうなやりたい事探しの中、無邪気にはしゃぐ羅仙に「この程度のことがこんなにうれしいのか」と心底困惑する九尾狐。これを発端に、どんどん羅仙のペースにはまっていきます。

そしてついに名を尋ね、名前がないとなったときに羅仙は九尾狐に「芙蓉」と名付けます。自分も名乗り、一晩だけ家族(夫)になって欲しいと願い、名前と共にお互い愛してると言い合って夜を過ごします。九尾狐の芙蓉はこれで完全に羅仙に落ちました。

それから羅仙は、「芙蓉は、愛していると言ってくれるなら誰でもいいのでは……?」という謎の疑惑に沈んでしょんぼりしたり、実は史家の巫女を50年に一度生贄に差し出させて食らっていたのは、他の妖怪から史家を守るためだったことが発覚したりするのですが、もろもろ愛の力で捻じ伏せてハッピーエンドです。

だいたい常にお洋服を脱いで楽しく過ごしているので、慣れていないと目のやり場に困るかもしれませんが、個人的にはたいへん楽しませていただきました。肌色シーンはBLの大事なうるおいです。九尾狐が羅仙に落ちたのは名(真名)をつけられて呼ばれたからでは……? とちょっと思ったのですが、でもたぶん愛の力です!

パワフルな肌色率で、ちょっとおとぎ話チックで、羅仙も九尾狐も可愛いので大変おすすめです。

この記事を書いた人

アキミ

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