2018.03.07

【まとめ】異世界転生もここまで来た!実在作品への転生マンガ

小説でもマンガでもアニメでも大人気の異世界転生モノ

人気の加速に伴い、さまざまなバリエーションが生まれる中、転生したらスライムになったり、蜘蛛になったり、果ては温泉になったりする作品も!? そして、さらには実際のゲームや往年の名作マンガの世界へと転生を果たす作品まで生まれ始めています。

「もはやここまで来たか!」という感のある、実在作品への転生マンガたちをご紹介します!

『DRAGON BALL外伝 転生したらヤムチャだった件』

階段から転げ落ち、ふと目を覚ますとヤムチャになっていた主人公。もともと男子高校生であった彼は、実物のブルマを目にして、「めちゃくちゃかわいい」「ってことは、オレはこの子と恋人に!?」とにわかに興奮。しかし、栽培マンの自爆で惨めな死を迎えるヤムチャの姿を思い出した彼は、「ここがヤムチャのターニングポイントなのでは?」と俯瞰的視点から冷静に判断! ブルマとの桃色生活を振り切り、悟空と共に亀仙人の下で修行する道を選ぶ。「もう一つのルート」を辿ったヤムチャの物語。

編集部の飲み会での「異世界転生モノやっちゃう?」的なノリから生まれたという、この作品。

ノリと勢いだけで作られてそうなコンセプトながらも、主人公だけが作品世界のあらすじを知っているという情報的アドバンテージを活かした、主人公の巧みな立ち回りには知的な面白さがあり、「もし、自分がこの状況だったらどうするか」というシミュレーション的な楽しみ方も提供しています。

特に主人公が「ヤムチャのターニングポイント」のその瞬間をリアルタイムで見抜く流れは白眉! こんな何気ない選択が人生の岐路だっただなんて……!

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『FINAL FANTASY LOST STRANGER』

スクエニ社員がFF世界に異世界転生! 誰よりもFFが好きで、誰よりもFFに詳しいと自負しながらも、FFを作る仕事には関われずにモヤモヤしている入社四年目のスクウェア・エニックス社員、佐々木正吾(プランナー)。同じく入社二年目の妹、佐々木夕子(営業)ともどもトラックに轢かれて、ファイナルファンタジーの世界へと迷い込む!だが、この世界は正吾の知るFFとは少しだけ違っていた。そして、冒険の中で夕子が死んだ時、正吾はこの世界にレイズ(蘇生魔法)がないことを知る……。

ポイントは何と言っても、異世界転生する主人公がスクエニの社員という点。
実在する会社のサラリーマンが実在するゲームの世界に転生するという二段構えです。しかし、一巻の段階では、スクエニ社員であることが物語の軸としてあまり機能しておらず、そこは少し残念。

なお、転生先の世界は主人公の知るFFとは少し異なるため、主人公の前知識がむしろ判断ミスを招くという、珍しい作りになっています。

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『今日からCITY HUNTER』(単行本未発売)

『CITY HUNTER』オタクの40歳独身女、香さん(処女)が電車に轢かれて異世界転生! 目が覚めると、香さんはなぜか若返って女子高生になっており、さらに、街にはバブリーなファッションの人たちが溢れ返っている。すわ、タイムスリップか! と思うも、実家の電話番号は通じないし、実家の住所も存在していない。異様な状況に困惑し、落ち込む香さんが新宿の掲示板に「XYZ」を書き記すと……そこに現れたのは、なんと冴羽遼! 香さんはCITY HUNTERの世界へと転生していたのであったーー!

……と、そんな当作品を描くのは錦ソクラ先生。もともと、雑誌「近代麻雀」にて『3年B組一八先生』という麻雀マンガを描いていることで知られるマンガ家で、『3年B組一八先生』では様々な作品のパロディが行われています。

パロディ先の作品に絵柄や演出、ノリまで似せてくる模写能力を持っている、いわゆる「イタコマンガ家」の一人であり、『3年B組一八先生』でも既に『CITY HUNTER』のパロディを行っていました。おそらくそのイタコっぷりが評価されての今回の起用と思われます。

作品としては、第一話でヒロインの香さん(処女)の感情の流れが丁寧に描かれているのがポイント。
40歳独身オタク女(処女)の焦りと閉塞感、そして、「異世界の中で迷子になる」不安感をキッチリ描いて、ヒロインのドン底の気持ちを読者に共感させてからの冴羽遼登場で一気にカタルシスをもたらします。

視点人物が守られる側のヒロインになったことで、「冴羽遼が来てくれて本当に良かった、安心だ!」という気持ちに強く共感できる組み立てとなっており、冴羽遼のヒーロー性を際立たせることに成功しています。

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実在のゲームや名作マンガに転生する作品を挙げてみました。好きなゲームやマンガの世界に自分が参加するというのは、子供の頃には誰もが思い描いたことですし、この手の作品は今後もっと増えていってもいいんじゃないでしょうか。

あ、でも、僕は『美味しんぼ』の世界には行きたくないな……。山岡士郎や海原雄山が横でブツブツ難癖をつけてきたら、どんな美味しいごはんも不味く感じそうだ……。

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この記事を書いた人

架神 恭介(@マンガ新連載研究会)

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