2018.03.10
【日替わりレビュー:土曜日】『汚物は消毒です』田口ケンジ
『汚物は消毒です』
田口ケンジ先生といえば、長編では『DCD』『姉ログ』、さらに読切でもずっと姉属性キャラ大好きっぷりを示してきたマンガ家さんである。
当然(?)、現在「サンデーうぇぶり」で連載中のマンガ『汚物は消毒です』もお姉ちゃんがメインヒロインだ。
主人公の少年・清家司(せいけ つかさ)と1つ年上の少女・ましろは、両親の再婚で家族になったばかりの姉弟ビギナー。
とつぜん出来たお義姉ちゃんとひとつ屋根の下で暮らす日々にドキドキそわそわ落ち着かない司くんだが、ましろ姉にはクールな性格と超美人な容姿のほかに、ビックリする特徴があった。
潔癖症、というかお掃除が常軌を逸したレベルで大好きなのである。
トイレで便器に汚れがあれば恍惚としながら拭い落とし、カーペットに飲み物のシミがつけばハァハァ息を荒げて叩き抜き……。
汚れるのが嫌というよりは、きれいにする行為に興奮を覚えるらしい。
それはもはや掃除フェチ、いや“掃除狂”の域!
何事にも冷静に澄ました女の子が、お掃除する時だけなんだかちょっとエロいほどに顔を上気させて一心不乱になるギャップが毎回おもしろカワイイ。
フェチものとしてよし。お掃除で役立つ豆知識の実用性も抜群。
そして何より、近くて遠い関係を描いた義姉弟ラブコメとして非常に楽しめる。
色んな意味でおすすめの一作です。
……ところでタイトルはやっぱり『北斗の拳』で聖帝さまの部下が火炎放射器をぶっぱなしながら叫んだ例の名台詞からきてるんでしょうか。
©田口ケンジ/小学館