2018.03.20

【日替わりレビュー:火曜日】『終末のハーレム』宵野コタロー, LINK

『終末のハーレム』

2040年。難病に侵された青年・怜人は幼馴染の絵理沙と再会を誓い、病を治すためコールドスリープする。そして5年後――。目覚めた怜人を待っていたのは、99.9%の男が死滅して、50億人の女性が生きる世界。
「どうか人類を救うために…この世界に残された女性たちと子作りして頂きたいのです」

いろんな女の子にちやほやされる「ハーレム」ジャンル。男性ならついつい考えてしまうかもしれないモテモテの妄想を、世界という大きな枠組みの舞台設定で表現したのが『終末のハーレム』です。

怜人の世話係の美来(みら)はミステリアスな美女。妹のまひるはツインテールのブラコン。看護師の朱音(あかね)はお色気マシマシなお姉さん。快活で朗らかなロリっ子の翠(すい)。
怜人編の主要ヒロインだけでもこの数。さらに土井翔太編になると、一クラスまるまる美少女たちが、子作りしたくてあの手この手で迫ってきます。読んでいてニヤニヤが抑えられません!

これだけ数多くの女性が登場するにもかかわらず、キャラかぶりがないのが見事。作画の宵野コタロー氏は成年向けコミックでも活躍されていて、魅力的なヒロインを描く匠の技を感じさせます。

モテモテハーレムが「軟派」だとすると、本格的なSF描写は「硬派」だと言えます。2040年には科学とエネルギーの発達によって、ほとんどの作業は機械化。人類が労働から解放された近未来を描いています。
そこから人類の半数が一気に死亡。コミュニティ崩壊により無政府状態に突入して、貧富の差が一気に拡大してしまいます。人類の大半が労働に従事していなかったために、多くの技術・産業がロストテクノロジーとなっているifの世界。

壮大な思考実験をエンターテインメントに落とし込んでいることが、物語に深みを与えています。
ソフトなハーレムとハードなSF。甘い物と辛い物を交互に食すように、二種類の味わいを楽しみたい作品になっています。

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かーずSP

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