2018.03.24

【日替わりレビュー:土曜日】『SSB -超青春姉弟s-』慎本真

『SSB -超青春姉弟s-』

明るくポジティブで自分が大好きな姉弟、大学生の新本チコと高校生のチカ。
クールな不思議キャラで微妙にネガティブな姉弟、同じく大学生の斉藤マコと高校生のマオ。

そんな対照的な性格ながら、親友関係にある2組の姉弟が過ごす日常風景をさまざまな切り口から描くのが、COMICポラリスで連載中のマンガ『SSB -超青春姉弟s-』だ。

メインキャラクターと言えるのは上記の4人だが、姉同士・弟同士・姉と弟・姉と親友の弟・弟と親友の姉……と組み合わせごとに生じる心情を汲み上げることで、豊かな群像劇になっている。

とくに、隠れオタクだった新本姉がマンガ家を目指す筋や、お互い親友の姉/弟に対して育まれる恋心などを通して、4人それぞれ後戻りのできない変化を続ける自分自身を見つめ、“大人になるとはどういう事なのか?”という答えのない問いに向き合っていく流れが素晴らしい。

たとえば第22回収録の第188話「青春に戻ろう」というエピソードで、弟たちが高校の体育祭を謳歌する姿を傍から眺めつつ、姉たちはしみじみとこんな言葉を交わす。

「戻れないんだねぇ もうあそこには」
「まぁきっと 5年後の私達も今の私達の背中見て同じ事言ってるよ」
「あーあっ そうなんだろーなっ」

こうした含蓄深い視点が随所にちりばめられているのが本作の魅力。
公式の初期からの謳い文句は「ゆるだら超青春コメディー」だが、現在はその中で“青春”の部分が濃厚に煮詰められている。

単行本はすでに10巻まで出ているが、追いかけがいがある作品だ。

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miyamo

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