2018.03.29
【日替わりレビュー:木曜日】『今日も娘と。』ヒョーゴノスケ
『今日も娘と。』
天真爛漫な娘に癒される。実録エッセイマンガ
誰のRTでまわってきたかは忘れたが、私がヒョーゴノスケさんを知ったのはこのツイートだったと思う(記憶が定かではないのだが、そのはず……)。
【実録】無職になった日 pic.twitter.com/JaGhqAkwHv
— ヒョーゴノスケ (@hyogonosuke) 2017年8月19日
10年間勤めていた会社が倒産、無職に……聞いただけでもめまいが起きそうな出来事に、しかし娘はあっけらかんとこう言い放つ。
「貧乏なんていやだ」でも「そっか、お父さん頑張って」でもなく、「大丈夫!私のお年玉あるから」と、自力でなんとかしようとしているところに娘さんの器の大きさが感じられる。
その後、ヒョーゴノスケさんは娘さんとの生活を実録マンガとしてTwitterにアップするようになる。
【実録】親戚の集まり pic.twitter.com/nceUO179up
— ヒョーゴノスケ (@hyogonosuke) 2018年1月5日
『今日も娘と。』は、そんなTwitterで掲載されていたマンガを一冊にまとめた作品だ。
娘さんとの日常を、ほのぼのとしたタッチで描く。結婚したこともなければ子どもをもったこともない私なので、「果たして世の子どもはみんなこんなに可愛いの?」と疑問に思うこともあるのだが、読んでいて子どもが欲しくなる一冊であることは確か。こんなに可愛い娘さんと暮らせるなら仕事頑張れる気がする。
コミックスの中には、娘さんと作者の親子対談も。貴重な肉声でありつつも、娘さんは相変わらず通常運転なところが微笑ましい。マンガのネタを一緒に考えたり、描いたマンガは娘さんがチェックしたり(娘さんによるボツもあるそうだ)、そんなエピソードがまた良い。
あと、コミックス収録の、「おまけ[その2]嫁」が地味にだいぶ驚いた。知らない人は本編でチェックしてほしい。
読んでいる間ずっとクスクスしてしまう。たまにホロリと泣けてくる。お父さんの娘に対する眼差しの暖かさが伝わってくる、読後感が最高の作品である。
娘さんNGが出たらマンガはもう描かないそうなので、リアルタイムで楽しめる今は私たち読者にとっても貴重な時間かもしれない。
©ヒョーゴノスケ/KADOKAWA