2018.03.29

【まとめ】少女マンガの王道「先生と生徒の恋」最前線!

少女マンガの王道設定といえば、先生と生徒の禁断の恋愛ですよね。昔から数々の作品が生み出され、今なお描かれ続けている鉄板シチュエーションです。
みなさんも、そんな設定の作品を挙げろと言われれば、1作や2作は簡単に言えるのではないでしょうか。

今回はそんな教師と生徒ものの、連載中(もしくは最近まで連載していた)の作品を中心に、教師と生徒ものの最前線をご紹介したいと思います。

『センセイ君主』

2017年に全13巻で完結を迎え、2018年には映画化も予定されているなど、教師と生徒ものではここ数年で一番の人気作。

恋しては告白し、振られて……を繰り返す、恋多き女子高生・佐丸あゆは。そんな彼女の前に現れたのは、臨時教師としてやって来たイケメン・弘光先生。恋に悩み、恋に空回りするあゆはに、弘光は手厳しくダメ出しをしてくるのですが……。

ヒロインのあゆはは、恋愛のことしか頭に無いような、バカ正直で突っ走りがちな性格の持ち主
彼氏が欲しいと切に願うも、一切結果は伴わない。そんな彼女の前に、お相手の弘光先生が現れるという展開です。この先生、イケメンでたちまち女子たちの人気者になるのですが、生徒たちに一切媚びないどころか、むしろ突き放すような歯に衣着せぬ言動で、女子たちは次々玉砕。
あゆはも度々、彼の核心を突いた言葉にダメージを受けるのですが、不思議とめげること無く食い下がり、徐々に彼の心を掴んでいきます。

教師はすなわち「大人」の象徴として描かれるのですが、弘光先生の場合はジェントルマン的な優しさや包容力というよりは、時に過剰とも思えるほどの観察と論理から裏打ちされた”正しさ”があり、それが大人っぽい魅力として描かれます。それと、とにかく自分中心というSっぽさも特徴ゆえに最初はとっつきにくいのですが、徐々に距離が近づくと共に、ほんのりと優しさや特別扱いといった要素が香ってくるという、そのギャップにキュンとしてしまうわけです。

教師側は明確に線を引いて生徒を牽制するわけで、その線を飛び越えるのはなかなか大変。あゆはの場合は、そのバカがつくほどに素直な性格と、その積極性によってそのラインを超えていこうとするわけですが、飛び越え方がパワフルでめちゃくちゃなので、どうしても雰囲気はコメディに。

対照的な性格の2人が織りなす、笑いあり、感動ありのラブストーリーをお楽しみください。

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『さくらと先生』

登校中の坂道で目にした男の人が強烈に印象に残ったさくら。やがてその人は、簿記の藤春先生だとわかり、気づけば授業は人一倍熱心に受けるように。先生と交わすちょっとした話も嬉しかったり、その姿を目で追っていたり……憧れと恋心の入り交じった想いを、先生に対して抱くようになるのですが……。

『センセイ君主』のヒロイン・あゆはは前向きで暴走しがちな性格でしたが、本作のヒロイン・さくらは全く正反対で、実に消極的でピュアの性格の女子が主人公です。作品の雰囲気も、ピュアっぷりを押し出した切なく瑞々しい内容となっています。

ヒロインのさくらは取り立てて特徴のない、ごくごく普通の女の子。ちょっとしたことがキッカケで、藤春先生のことが気になるようになり、密かに好きの気持ちを積み重ねていきますが、何か具体的に行動に移すことはなく、あくまでイチ生徒として藤春先生に接していきます。
一方の藤春先生は、明るく人当たりも良いため生徒たちからの人気も上々。しかし生徒に対しては丁寧語を使うなど、ちゃんと一線引いて接しているところに、真面目さが垣間見られます。

どちらも真面目で誠実なタイプ。こういう2人の場合、何か特別なイベントでもないとなかなか近づかないワケで、実際その歩みは非常にゆっくり。恋愛っぽい絡みもないまま、物語は進んでいきます。ダメ出しではなく、これがこの作品の魅力。

コンセプトとして「片想い」をフィーチャーしていることもあり、好きな気持を重ねるけれど、どうにもならないもどかしさや切なさが全面に押し出されています。

ピュアで切ない物語がお好きな方は、まずはこちらを手にとってみてはどうでしょうか?

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『中学聖日記』

次はちょっと毛色を変えて、「フィールヤング」から『中学聖日記』のご紹介です。

「このマンガがすごい!」でもラインクインするなど、各所で評価の高い本作ですが、中学3年生の男子とその担任の女教師との恋を描くという、なかなか攻めた内容になっています。

黒岩晶は、”恋心”を未だ知らない中学生。ここ最近、新担任の末永聖先生を、つい目で追ってしまう。清純な雰囲気の女教師で、婚約者がいるという噂。彼女といると、他に誰にも感じたことの無い感情が湧き上がり、何度も彼女を傷つけてしまう。……それが恋だともわからずに。

読者層の年齢が上がると、生徒=女子、先生=男性という組合せに逆転現象が起き、先生側が女性というパターンが結構見られるようになります。本作の場合も、ヒロインの聖が読者層ど真ん中の25歳。こうやって組合せを変えながら、教師と生徒ものをいくつになっても楽しむことができるわけです。素敵じゃないですか?

さて、本作ですが色々と問題行動を起こす晶に、優柔不断な聖が振り回され、心かき乱されるという構図。さすがに年齢差がありすぎるため、ストレートに恋愛に結びついてはいかないのですが、その凶暴だけれど純粋な晶の心に、隙だらけの聖はついつい惹きこまれてしまうんですよね。どちらもメンタル的に不安定で、ついつい感情的・感覚的に行動してしまい、さらにそれが次のトラブルを生む……読んでいてとても不安な気持ちにさせられるのですが、その得体の知れない不安定さが、本作の魅力でもあります。

有り体に言ってしまうとちょっと意識高い系の作品なのですが、純粋に恋愛だけに落とし込まない重厚なストーリーは読み応え抜群で、何より物語性を重視したという方には、本作を推したいところです。

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『その時、君が泣いた』

先生と生徒ものを描くのが得意なマンガ家さんって何人かいらっしゃるのですが、個人的に好きなのが藤原よしこ先生です。ベッタベタな教師と生徒もの『だから恋とよばないで』という作品があるのですが、こちらはちょっと連載時期が古いので、最新の『その時、君が泣いた』をご紹介しましょう。

教えることに迷いを感じ、自分に自信の持てない高校教師の律。そんな彼女をからかいながらも、彼女の純粋さにいつしか惹かれていく高校生の忍。教師と生徒、決して許されないけれど、どうしたって惹かれてしまう二人の行方は……?

しっかり者だけど、自分に自信が持てないヒロイン・律。そんな彼女の心の弱さに寄り添い、優しい言葉で包んでくれるのが、生徒の忍。忍はイケメンで学校でも人気者。教師ながら、律は自分とは世界が違うと感じてしまうような、キラキラ男子です。
特筆すべきはその承認力で、普段こそ甘える感じで近づいてくるものの、一度彼女の弱さに触れたら、彼女を認め、助け、励まそうと頑張ってくれる。その姿が本当に素敵なんです。

「こんなことされたらそりゃ律も好きになっちゃうようなぁ」……と、羨望のため息がついつい出てしまうようなその不思議な包容力を、是非とも味わって頂きたい。

藤原よしこ先生というのはとにかく描く物語のどれもがピュアで、泣けるほど切ないのが特徴なのですが、どんなキャラ設定(年齢設定)であってもそれが失われないという凄さを持っています。本作では社会人を描いているのですが、恐ろしいほどにピュア。たぶん、70歳同士の恋愛とか描いてもピュアすぎて泣ける作品描けるんじゃないでしょうか。

その恐ろしいほどに透き通ったピュアな世界に、あなたも足を踏み入れてみてはどうでしょう?

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以上、4作品をご紹介しました。女子生徒と男性教師という王道フォーマットの作品が2作品だけだったというのはちょっと反省ですが、何より面白い作品を……という基準で選んだ結果ですので、チョイスには自信ありです。

いつまでたっても色褪せることのない王道設定を、最新の時代背景とともにお楽しみください。

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