2018.04.07

【日替わりレビュー:土曜日】『一方その頃スナイパー女子高生は』ねんまつたろう

『一方その頃スナイパー女子高生は』

例えば野球のピッチャーとキャッチャーのように。
あるいはミステリの探偵と助手のように。
はたまた、『ジョジョの奇妙な冒険』第3部で億泰が感動したトマトとモッツァレラチーズのカプレーゼのように。

世の中には役割分担で結びつけられた相棒関係……それも一方が“女房役”と称されるほどの緊密なバディがさまざまな分野に存在している。

「ニコニコ静画」その他で公開中の『一方その頃スナイパー女子高生は』は、そんなバディをとてもユニークな切り口でとりあげたマンガだ。

ライフルで標的を狙い撃ちにするスナイパー(狙撃手)と、狙撃の精度を上げるため距離・風速など補正に必要な情報をスナイパーに伝えるスポッター(観測手)
ミリタリー世界では切っても切れないセットの役目を、とある学校の「狙撃科」に属する女子高生コンビが任務で遂行中という設定のもと、2人が敵を待ち構えている間あまりにヒマになって雑談を繰り広げる姿をつづっていくシチュエーションコメディである。

狙撃スポットに腰を下ろし、軍用銃の耐久性やら好きな刃物やら物騒な話題を口にしていたかと思えば一転、バレンタインデーにフラれたと嘆いたり夏休みの過ごし方を相談したりと日常的なダベりがシームレスに展開するふれ幅が面白い。
マンガやアニメをたしなむさい、私たちはともすれば簡単に「日常もの」というような概念を使ってしまうことがあるが、本作はそんなジャンル意識をひじょうに上手いことかき乱す仕立てになっている。

灼熱の砂漠に囲まれた岩場がまるでマクドナルドの一席のように感じられてくる不思議な趣を、ぜひ楽しんでいただきたい。

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miyamo

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