コミスペ!

SHARE

2018.04.10

【日替わりレビュー:火曜日】『亜人』桜井画門, 三浦追儺

『亜人』

決して死なない未知の新生物をひとは「亜人」と呼んだ。夏休み直前、一人の日本人高校生が下校時に交通事故に遭って即死。生き返った少年には多額の懸賞金がかけられた。そして、全人類を相手にした少年の逃避行が始まった。

主人公は亜人であることが発覚した高校生・永井 圭なんですが、どうしようもなく敵方の佐藤(サミュエル・T・オーウェン)に惹かれてしまいます。

亜人は殺しても死なないので、生け捕りにするために警察は麻酔/睡眠銃を使ってきます。その手段に対抗する佐藤の行動に驚愕。左腕に麻酔弾が刺さった瞬間に、軍用ナイフで腕ごと切り落として迎撃。すかさず喉元から脳天に発泡して自害してしまいます。
「えっ!? どういうコト!?」いったん死亡すると、身体の負傷がリセットされて、ピンピンの身体に戻って戦闘続行となるわけです。

その他、切り離した手首のところへ身体を引き寄せたり、手首を相手に郵送して、自分はミンチになって相手の元へワープしたり……手首ばっかり! 不死の設定を生かした刺激的かつ斬新な戦闘シーンに興奮させられます。

悪人と言えば、恫喝するヤクザ、図体のでかい乱暴者。そういった「強そう」なのが見た目にもわかる外見をしています。ところが佐藤は見た目が普通のオッサンなのに、やることなすことメチャクチャである事にも感興を覚えます。

飄々とした風貌で危険性をまるで感じさせない佐藤。ところが常軌を逸した行動で、前述の痛覚を無視した戦闘術をはじめ、市街地に旅客機を落下させたり、人類を敵に回して煽ったり。スリルを味わう死闘を「ゲーム」として楽しんでいることだけが目的の享楽主義者です。

コワモテで筋骨隆々な凶悪ヅラが威嚇するよりも、小柄で物静かなおっさんの佐藤の方が一万倍怖い。一生の記憶に残る名ヒールではないでしょうか。

試し読みはコチラ!

この記事をシェア!

この記事を書いた人

かーずSP

このライターの記事一覧