2018.05.06
【日替わりレビュー:日曜日】『サザンと彗星の少女』赤瀬由里子
『サザンと彗星の少女』
Webマンガ媒体「トーチWeb」で連載されていた、赤瀬由里子先生によるスペース・オペラ作品『サザンと彗星の少女』。前後編の2巻完結で、手に取りやすい一作です。
地球では人間が働く仕事が少なくなり、地球人は宇宙へと仕事を求めるようになった時代。ひょんなことから地球人の主人公・サザンは、出稼ぎ先の宇宙で赤髪の少女ミーナと出会い、恋に落ちます。しかし、彼女の正体は強大なエネルギーをその身に秘め、「破滅を呼ぶ生命体」と呼ばれる「彗星人」。その力を狙った盗賊たちに追われる彼女にそれでも惹かれるサザンは、敵の1人でもある盗賊団の宇宙船に乗ってミーナの後を追うことに……というのが大枠のストーリー。
まずなんといっても特筆すべきは、オールカラー、フルアナログ作画によって描かれた、美麗なイラスト!
プロフィールによると、赤瀬先生は1990年生まれで、本作がデビュー作というのも驚きですが、宇宙船や武器をはじめとしたレトロフューチャーなガジェットや、80年代アニメ・マンガへのリスペクトのつまったデザインに心が奪われます。
お話の題材としては、ある種様式美と言っても良いくらいの、お約束が満載のSFラブストーリーではありますが、アナログな描き味を土台に、まるで80年代のアニメを見ているようなわくわくするような感覚も楽しみながら、温かく懐かしい、ほっこりとした気持ちを味わうことが出来るのです。
そして、赤髪のミーナをはじめ、サザンと旅を共にすることとなる「ピクニック盗賊団」の面々など、キャラクター造形も魅力的です。
個人的には、ブタと言われると怒ってしまう盗賊団の団長・キッドがかわいくてお気に入り。はじめは自身達の名声のために、ミーナを追いかけている「悪者」の1人だったのが、段々とサザンの愚直な熱意にほだされて、不思議な友情が芽生えて協力関係となる、というのもお約束的ではありますが、とてもわかりやすい描写でグッドです。
— 赤瀬 由里子●単行本4/18発売 (@akaseyuriko) 2018年5月4日
最初から最後まで、年齢に限らず楽しめる愛と冒険の物語が繰り広げられておりますので、穿った見方をせず童心にかえって読んで頂きたい一冊です。
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本当にありがとうございます!(TT)✨本をご購入してくださった全ての方が参加可能です
応募方法は以下の項目で呟くだけ!
①表紙の写真or上巻のお気に入りのコマの写真
②ご希望の賞記入(A~E)
③作品のご感想
④#サザンと彗星の少女 pic.twitter.com/mHevSDAEjw— 赤瀬 由里子●単行本4/18発売 (@akaseyuriko) 2018年4月19日
©赤瀬由里子/リイド社