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2018.05.30

【日替わりレビュー:水曜日】『奴隷姫』やつき

『奴隷姫』

敬愛している姫を、ぼくは血が滲むほどムチで打つ

「お姫様」には、憧れとフェチズム両方の目が向けられる。高貴な女性への崇拝的な感覚。清楚な裏に秘められた女性の肉体的エロス。

「大好きなお姫様がぼくの奴隷になる」というウルトラCで、その両方の魅力をバランスよく調理したのが、この作品だ。

靴磨きの貧しい少年レゾ。彼はかつてエクレルトリカ姫に優しく声をかけられたことがあり、以来彼女に心酔していた。
ところが姫が反逆者だと街で大騒ぎに。そんなはずはない、と姫を信じるレゾ。彼女をかくまったことで、2人は国中から追われるハメになる。
ただ、一つだけ2人が助かる方法がある。レゾが、姫を奴隷にすることだった。

この世界の「奴隷」は、魔力によって服従させられている。その際に、姿まで変えられてしまうようだ。姫が選んだのは、いわば捨て身の変装
大好きで仕方なかった姫の首に鎖をつけ、連れ回すレゾの気持ちたるや。恐れ多いのを通り越して、ひたすら心が痛む

奴隷になった姫が疑われないよう、彼はムチを取り出して、奴隷として姫を叩き続ける。頬は腫れ、血が滲むほどに乱打し、踏みつける。
ムチ打つたびにレゾの涙があふれる。身がボロボロになる姫の姿は、あまりにも痛々しい。

ここからが、エクレルトリカ姫のすごいところだ。

「私は自らの身に受けるどんな痛みも覚悟していました
ですが そのために貴方の心を傷つけました 謝るべきは私の方です」

奴隷として下の下まで身を落とそうとするエクレルトリカ姫。しかし彼女は徹頭徹尾、高貴で揺るがない。痛めつけるほどに、信じてくれる姫。レゾの敬服の念は高まっていくばかり。

もっともマンガとして、尊敬する人を泣きながら殴るシーンは、倒錯したエロティシズムの色が非常に濃い。グロテスクな描写や性的表現はないものの、かなり深く性癖をついてくる作品。表紙で何かが心に灯った人はすぐ読むべし。

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